駐車場と父
車で買い物へ行き駐車場で、いつも思い浮かべることがある。
「駐車場は動く車があるから、まわりを見ずに 走り出したらだめだ!車の後ろは絶対歩くな」
運転に携わる仕事をしていた父親の言葉だ。
休日になるとよく遊びに連れて行ってくれて、つい目的地に着くとうれしくて飛び出す子供だった私。
普段は優しいけど、駐車場ではすごく怖かったのを思い出す。
駐車場で車に降りたとき、今だに「右よし左よし!安全確認!!」と注意確認を怠らない私である。ときおり危ないドライバーや歩行者を見かけドキドキすることも多い。
その交通安全命の父も2年前に逝ってしまった…
日々の生活におわれ父親の記憶も途切れ途切れになり、こうやって亡くなった人を忘れていくんだなぁと淋しい気持ちになる。けれども亡くなった人は、ひとつお土産をおいて逝く。忘れていても駐車場に停めるたびにこうやって父の言葉で私や家族を見守ってくれているのかなぁと…
お盆にはお墓参りに行って父の大好物のスイカをお供えしてこよう。