76歳で発達障害と診断された父との凸凹暮らし
第1章 人の気持ちが理解出来ない
はじめまして。
1年前に発達障害と診断された父を持つ40代主婦です。
「発達障害」と言えば、ここ10年くらい前に知られるようになった特性としてご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
父と暮らす中で、日々起きることに対する、娘の私の気持ちや対応が、皆さんの役に立てるのではないかと今までの経験を記すことにしました。
ちなみに父は、「自閉スペクトラム」「注意欠如多動症」「運動協調性障害」の3つの要素が全て混ざり合った状態だと診断されました。
何故この年齢に診断に至ったかの詳しい経緯は追々書いていきます。
まず私の幼少期に遡ってお話しようと思います。
両親は共働きで、祖父母と妹と私の6人で暮らしていました。
父の仕事は残業もなく定時で終わり、休みもしっかりありました。
ある日、近くの公園でバレーボールがしたいと、私と妹は父を誘ったことがあります。
父は5分ほどで一人家に帰りました。
妹と私はどうして遊んでくれないのか不思議でした。
帰宅後、母からは「飽きたんだよ」と言われ、とりあえず納得はしましたが、寂しかった記憶が残りました。
別の日、父は一人でホテルのケーキバインキングに行き、美味しかったと満足して帰ってきました。
私も妹も小学生なので一緒に行ける年齢でした。
それまでに何回か父一人で行っていて、誘ってもらえないことには慣れていました。
母は、「どうして子供たちを連れて行ってあげないの?」と父に尋ねましたが、父は「そうか、悪かった」と指摘され初めて気付いた様子でした。
今この出来事を振り返ると、「自閉スペクトラム」の人の気持ちが理解しにくい部分、もしかしたら「運動協調性障害」でバレーボールが上手く出来なかった部分、自分の興味あること以外はやりたくないこだわりの強さがあったのかもしれません。
父の本棚に「女の子の育て方」という子育てについて書かれた本があるのを大人になり見つけました。
父は父なりに悩んでいたのかもしれません。