見出し画像

76歳で発達障害と診断された父との凸凹暮らし

第2章 じっとしていられない

はじめまして。
1年前に発達障害と診断された父を持つ40代主婦です。
「発達障害」と言えば、ここ10年くらい前に知られるようになった特性としてご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
父と暮らす中で、日々起きることに対する、娘の私の気持ちや対応が、皆さんの役に立てるのではないかと今までの経験を記すことにしました。
ちなみに父は、「自閉スペクトラム」「注意欠如多動症」「運動協調性障害」の3つの要素が全て混ざり合った状態だと診断されました。
何故この年齢に診断に至ったかの詳しい経緯は追々書いていきます。

まず私の幼少期に遡ってお話しようと思います。

両親は共働きで、祖父母と妹と私の6人で暮らしていました。

たまに家族旅行に連れて行ってくれた両親、旅行中はあまり喧嘩が起きませんでした。私にとっては、良い思い出になっています。

旅先あるあるなのですが、父は知らない人によく声をかけます。
お土産物の店員さんから、旅行者まで様々です。

母が「今話していた人、知り合いなの?」と聞くと父は「初めて会った」と答え、びっくりすることもあります。

相手も話し好きな場合は問題ないのですが、たまに明らかに相手が嫌がっている、引いていると感じることがありました。
そんな時つい、母や妹と「相手、困ってるよね」と目配せしてしまうのです。

他にも父と旅行する時は、父は基本的に家族を待てず一人でどんどん先に行ってしまいます。
歩くのも早いのでたまに見失います。
いくら「待って」と声を掛けても待てません。

最近、発達障害を診られている医師の講演会に行って、その理由がようやく分かりました。

「待って」という言葉が抽象的過ぎて父には理解出来なかったのです。
5分待ってと時計を示したり、お母さんが追いつくまで待ってと伝えたりの工夫が必要だったのです。
(まだ抽象的かもされませんが)

待てない人というのは家族の共通認識で、今まで激しい喧嘩になったことはありません。
仕方ない、こういう人だからと諦めるようになっていきました。

いいなと思ったら応援しよう!