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76歳で発達障害と診断された父との凸凹暮らし

【年賀状にまつわる話】

はじめまして。
1年前に発達障害と診断された父を持つ40代主婦です。
「発達障害」と言えば、ここ10年くらい前に知られるようになった特性としてご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
父と暮らす中で、日々起きることに対する、娘の私の気持ちや対応が、皆さんの役に立てるのではないかと今までの経験を記すことにしました。
ちなみに父は、「自閉スペクトラム」「注意欠如多動症」「運動協調性障害」の3つの要素が全て混ざり合った状態だと診断されました。
何故この年齢に診断に至ったかの詳しい経緯は追々書いていきます。

年賀状に関して印象深い思い出があるので今回はそれをお話します。

父は人との距離感が分かりにくい人です。
簡単に言うと相手を一方的に自分の仲の良い知り合いだと思うところがあります。
それが現れるのが【年賀状】です。

テレビ番組の気象予報士さん、アナウンサー、県知事、何故か気に入った自分が住んでいない街の市長さんまで様々です。

父は実際の人付き合いは、退職前は同僚、趣味の山登りやスキーくらいで、家に父の知り合いが訪ねてきたことも、誰かと食事や遊びに行くようなこともありませんでした。

ただ年賀状を出す枚数は50枚以上ありました。

ある年の父宛の1枚の年賀状の内容が、今でも忘れられません。
「郵便局でスタンプだけ押してくる年賀状、そんな暇があったら他のことに時間を使ったらどうですか?」と書かれてあったのです。

今は私が年賀状の裏面を印刷していますが、私がまだ子供の頃は、父は年賀状にひたすら郵便局に置いてあるスタンプを押してメッセージなど書かず送っていました。

相手は特に親しくなかったというのもありますが、わざわざ嫌みを書いて送ってきたことにびっくりしました。
どうして文面を知っているかというと、母が先に読んでしまうからです。
父は大事な書類を見落とすことも多いので、親展以外は母が目を通し、父に渡すというのが習慣になっていました。

父はその年賀状を見た時にとりわけ怒りやショックの感情は見せませんでした。

他にも「どこかでお会いしましたか?」と書かれて返ってくる年賀状もありました。

地元テレビ局のアナウンサー宛などはまだファンだからで良いのかなとは思います。
父の年賀状を作るようになり、「昨年はお世話になりました」というような文面を入れないようにしています。
どこまで付き合いがあるのかが全く分からないからです。

父に限らず、こちらは親しみを持っていたけど相手は違っていたという場合はあると思います。

父の場合は自分の知り合いと捉える範囲が広いのではと私は感じています。

相手の気持ちが理解しづらく、人との距離感が分からず詰めすぎる「自閉スペクトラム」の特性が年賀状にも現れています。

ちなみにごく身近な親戚に不幸があり、年賀状を控えないといけない場合も、父は母から指摘されないと出そうとします。
「明けましておめでとうございます」と言いたい衝動や自分に関係あるというのが理解するのが難しいようです。
1回1回説明しますが、納得はしていないです。
ただ放っておくと不幸ごとがあったと知っている親戚にも出してしまい、責められるのが母にまで及ぶ場合もあり、時間をかけて理由や受け取った相手の気持ちなど家族皆が代わる代わる話すのが恒例です。

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