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76歳で発達障害と診断された父との凸凹暮らし

【診断後に起きたこと.3】

はじめまして。
1年前に発達障害と診断された父を持つ40代主婦です。
「発達障害」と言えば、ここ10年くらい前に知られるようになった特性としてご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
父と暮らす中で、日々起きることに対する、娘の私の気持ちや対応が、皆さんの役に立てるのではないかと今までの経験を記すことにしました。
ちなみに父は、「自閉スペクトラム」「注意欠如多動症」「運動協調性障害」の3つの要素が全て混ざり合った状態だと診断されました。

父は一人で買い物をすることが難しいです。

母にこれを買ってきてとお願いされても、最低2回、多い時は5回くらい確認の電話がかかってきます。
毎日のように父は家族の分の昼食を買って来てくれるのですが、特に迷うみたいです。

父が買い物に出掛ける前に家族が伝える内容は、
母「あっさりしたお弁当」
妹「甘過ぎない菓子パンとパスタ(メーカー指定)」
だったりします。

あっさりと甘過ぎないは抽象的過ぎて父には選べません。父だけじゃなく恐らく一般的に迷う表現です。

買いに行ってくれているのは父です。
母も妹も例え伝えたかった内容と違っても文句を言わなければ良いのですが、何かしら言われると余計に父は「怒られたくない、選ぶのに失敗したくない」という心理が働き、電話をし確認せざるを得ないのです。
家族が指定したものがなかった場合の代わりを探すのも本人にとっては大変です。

実家に行った時にたまたま父が母に電話を掛けてきました。「どのハムを買ってくれば良いか分からない」ということで、母は「いつも買っているやつ。前に間違って買ってきた生ハムじゃないよ」と伝えます。
横で聞いていた私は多分父には伝わらないと思い、「5枚入りが3つ繋がっているハム」と口出しをしたら伝わりました。

買い物中に何度も確認の電話がかかってくる件については、「発達障害者等支援センター」で相談したことがあります。
男の人は特に食材については普段台所で料理していないと分からないのが一つ、父の特性上具体的でないと分からないのが一つあると言われました。

紙に具体的に書いて渡す、可能なら写真を渡すのが良いそうです。ただ家族も毎回写真を用意するのは大変で実際には現在も電話で口頭での説明です。

また電話が掛かってきたと諦めやうんざり感が家族からにじみ出ます。

嫌なら母や妹が一緒に買い物に行くか、おつかいに行ってもらっていると感謝し受け入れるしかありません。

父の口癖で「怒られるのが嫌だから○○する」があります。特に母から怒られている認識が強いのだと思います。
逆に褒められたことは、父の中で記憶に残り、繰り返します。
魚市場で美味しい魚を買って来た時に家族に喜んでもらえた経験から、いくら高くてもその魚を買ってきたりするのです。

ボランティア活動を続けているのもきっと、他者に感謝されたりした経験からだと思います。
時に体力的に厳しい依頼が来て家族が止めても行きます。
父は家に居るとあまり褒められたり感謝されることはなく、叱られたり罵られたりすることが多いので、そういう場所が必要だと本能的に選んでいるのかもしれません。


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