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76歳で発達障害と診断された父との凸凹暮らし
【診断後に起きたこと.2】
はじめまして。
1年前に発達障害と診断された父を持つ40代主婦です。
「発達障害」と言えば、ここ10年くらい前に知られるようになった特性としてご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
父と暮らす中で、日々起きることに対する、娘の私の気持ちや対応が、皆さんの役に立てるのではないかと今までの経験を記すことにしました。
ちなみに父は、「自閉スペクトラム」「注意欠如多動症」「運動協調性障害」の3つの要素が全て混ざり合った状態だと診断されました。
父が発達障害と診断されたからといっても、日常は変わりません。
人の気持ちは理解しにくい、空気を読んだり状況把握も難しいです。認知症ではない特性からの忘れっぽさも年齢を重ねたこともあり頻発します。
母が具合が悪い時に、父は静かに出来ず、掃除機を掛けたり、話を聞いて欲しいことがあると寝ている母に大きな声で話しかけます。
何度か妹や私から父に「お母さんが具合悪いときは静かにそっとしておいて欲しい」とお願いしたこともあります。
診断結果を、いつも相談に乗っていただいていた「発達障害者等支援センター」の相談員さんにも伝えしました。
母の具合が悪いという状態を父には理解出来ないと教えていただきました。
母は高血圧で心臓にも持病があります。
血圧が不安定な時、顔が真っ赤になったり、反対に真っ白になったり、冷や汗が出たり、フラついたり、たまに会う親戚でも分かるくらいの症状が出ます。
普段一緒に暮らしている父にはきっと分かると家族は考えていました。
でも例えば顔色が悪い=具合が悪いという判断は父には難しいそうです。父に理解してもらうには、母が具合が悪い時の顔色や表情を写真に撮っておいて、こういう時は具合が悪いから静かにしてあげてと伝えないと難しいと説明してもらいました。
察するのが難しい特性だと分かっても、母と妹がそもそも「察して欲しい、口で伝えなくても分かる」という考え方なので、余計に拗れていきます。
2人ともこうあるべきという考え方が強く、期待した反応が返ってこないと父に関わらず怒りなどの反応を示しやすいタイプです。
これだけしてあげたのだから、このくらい返ってきて当然だと人に見返りを求めたり、なかなか他人の価値観を認められなかったりがあると私は感じています。
それは、2人とも今は家に居ることが多く、外との関わりが少なすぎるというのも関係していると思います。
家族仲悪化の原因には、3人だけの世界にずっと居るということがあるというのが私が相談してきた行政の方達の共通意見で、私もそう思います。
母がデーサービスを利用していたら、妹が働きに出かけていたら、父と一緒に過ごす時間は少なくなります。父はボランティアや趣味があり一人で出掛ける人なので、それぞれに家族以外の繋がりができます。
それを目指して1年間、私は母については地域包括支援センターや認知症カフェ、父については発達障害者等支援センターに相談してきました。
皆さん、難しさや複雑さを理解し、真剣に考えてくださいました。
そこで得た知識や経験をひたすら母や妹に共有したり、妹は両親の喧嘩や父の特性でイライラしたり滅入ることが多いので愚痴を聞くことに徹しました。
ただ私の空回りで想いが届くこともなく、次第に母や妹は私が察して動いて当然、妹は私にはどんな酷い言葉を投げかけても大丈夫という風になっていきました。