「老眼は治らない」でも諦めないで!
私は眼科医なので、出会った人によく聞かれる質問があります。
「最近近くが見えないけど、これって老眼ですか?」
わたしはだいたい以下のように答えます
「他の病気の可能性もあるから、検査や診察をしないと確定はできないけど、年齢的にその可能性は高いですね。」
そうすると、だいたいこう言われます。
「老眼は薬やトレーニングなどで治らないのですか?」
わたしは答えます。
「はい。老眼は治りません。でも眼鏡のレンズを累進レンズにしたり、コンタクトを遠近両用にすることで老眼の不便は改善されるのですよ。」
多くの人には「老眼は治りません」しか頭に入らないようで、
「ああ、老眼は治らないのですね。では老眼にいい食べ物とかサプリはありますか?」
などという話の流れになります。
それに対してわたしは答えます。
「目にいい栄養素というものはあるけど、それで老眼が治ったり改善したりすることはないですよ。」
そうとだいたい相手は失望のまま、老眼についての話は終了になります。
デジャブのように何度も何度も繰り返される同じような流れの会話。そしてその後に押し寄せる徒労感。
老眼を治すためにトレーニングをしたり、食べ物とかサプリは摂ろうと考えるのに、眼鏡やコンタクトを変えるのは嫌なんかい!って老眼専門医としては憤りを感じるんです。
そして数年後に、
「先生に言われていたように、眼鏡のレンズを累進レンズに変えてから便利になりました。眼鏡をかけたまま近くも遠くも見えて、眼の疲れも減りました!言われた通りに早く変えれば良かった。」などと言われると、老眼の不便を解消できて良かったねと思うと同時に、数年間老眼の不便を感じたまま生活していたのねと思い、もっと早く眼鏡やコンタクトを変えてもらうためにはどうしたらいいのだろうと悩みます。
だからひとりでも多くの老眼による不便を感じている人に届くように、noteという媒体を通じて、老眼に関する情報を発信しているのです。