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魔法スクール!! 第7章

7 魔法使いの夜
 
 「乗れ」
 「へっ?で、でも……」
 「いいから乗れ!!」
 今まで見たことのないような勇樹のこわばった顔にビックリしてあたしと南絵ちゃんは見動きが取れなくなる。(元々あたしは動きたくても動けないんだけどね)
 南絵ちゃんは今日が会ったの初めてだから分かるけど……。
 「お願いだから乗ってくれ」
 「「えっ?」」
 さっきとは違う、泣きそうな勇樹の声にあたしと南絵ちゃんは何も言えなくなる。
 「もうこれ以上、夏月を苦しめたくないんだ」
 「ゆ、勇樹……」
 こ、ここまで言われたら、もう断れないに決まってんじゃん……!
 「わ、分かった」
 あたしは勇樹の背中に体を預ける。
 (うわぁ。男の子の体って、意外にガッチリとしてるんだ)
 「では、行きますね」
 「おう」
 「オッケーだよ」
 あたしと勇樹の声がそろうと、南絵ちゃんはゆっくりと歩き出す。
 その後ろに勇樹がついていく。
 「な、夏月……」
 「ん?」
 「その……ごめん。ケガさせちまって」
 「ううん。別に大丈夫。足を捻ったのは勇樹のせいじゃないし」
 「夏月……あのさ…俺、夏月のこと……」
 「着きましたよ」
 「「うわっ!!」」
 南絵ちゃんのむっつりした声で私たちは顔を離す。
 「勇樹くん。夏月さんの部屋はここです。私の部屋は夏月さんの右隣の308号室、勇樹くんの部屋は夏月さんの部屋の左隣の306号室です。トイレは奥にありますので。」
 「お、おう」
 「う、うん」
 早口でまくしたてるように南絵ちゃんは喋る。
 「夏月さんのケガの手当てはメイドがしますので、勇樹くんは自分の部屋へ」
 「分かった。じゃあな夏月。また後で」
 「うん」
 勇樹の背中からあたしは降りる。
 勇樹や南絵ちゃんと別れた後、あたしは自分の部屋へ入った。
 「うわぁ~」
 思わずあたしは感嘆の声を上げる。
 だってめっちゃ綺麗なんだもん!
 ベッドにソファ、それに隣の部屋には、洗面所とお風呂がついてるんだよ!
 あと、正面にあるのは……クローゼットかなぁ。
 コンコン
 「はぁ~い」
 ガチャ
 「明理夏月様ですね。私はメイドの岡谷友美です。よろしくお願いします」
 「よ、よろしくお願いします」
 あたしも急いで頭を下げる。
 「南絵お嬢様から、お怪我のことは存じております。そちらのソファーにお掛けになって、ケガの部位を見せて頂けますでしょうか」
 「あ、はい」
 岡谷さんの言う通りにあたしは従う。
 「魔法を使って、ケガを治すことも出来ますがどうしますか?」
 「じゃあ魔法を使ってもらえますか?」
 「承知いたしました」
 あたしはどんな魔法か気になったので頼んでみた。
 「では……」
 ホワーン
 「うわっ!?」
 なんか水晶玉みたいなものがあたしの足に乗ってきたんだけど!?
 「じっと10秒待ってください。」
 ―10、9、8、7、6、5、4、3、2、1
 シュッ
 「ええっ?!」
 水晶玉が消えたんだけど!!
 「足はどうですか?」
 ゆっくり動かしてみると―
 「うわぁっ!動くし、痛くもない!!」
 「喜んで頂き光栄です。この魔法は、魔法学校に入ったら教えてもらえます」
 なんか、めっちゃ行きたくなってきた!
 「明理様、今夜のパーティーですが」
 「ええっ?パーティーなんかあるんですか?」
 「はい。南絵お嬢様の誕生パーティーでございます」
 わぁ。南絵ちゃん誕生日なんだ。
 「パーティーの際は、ドレスを着用する決まりとなっております」
 岡谷さんの言葉にあたしはビックリする。
 「ド、ドレスを着るんですか?」
 「ええ」
 っ、えぇ!?あたしみたいな元気な女子はドレスなんか着れないよ~。(世界の元気な女子の皆様、すみません!!)
 しかも、ドレスなんか持ってきてないし。
 「ドレスなら、クローゼットにたくさんありますよ」
 「へっ?」
 全て顔に出ていたのか、岡谷さんがあたしの頭の中の質問に答えてくれる。
 「それに、もうこんなお時間です。早く着替えましょう」
 あたしは逃げられる場所もなく、強制的にドレスに着替えさせられたのでした。
 ってか、1つ言ってもいい?
 パーティーって、ドレス着るの?


あとがき
皆さん昨日ぶりです!椿井です!
今日は部活の大会があったので時間がなくてお急ぎですw
また明日投稿すると思うので楽しみにしててくださいw
あと水曜日と金曜日は塾が入ったので投稿できません(泣)
では、また明日~!
                         椿井咲希夏

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