【Hulu Pick UP】知らない世界を知る、ドキュメンタリーシリーズ「VICE on Hulu」
HuluのVICEチャンネルはご存知ですか?今日は、隠れファンが多い!そしてなかなか知ることができない世界と出会わせてくれるVICE on Huluのラインナップについてご紹介していきたいと思います。
1. VICE on Huluとは?
テロ、サイバー戦争、闇社会、LGBTQ、フェミニズム、グルメ、エンターテインメントなど社会問題からポップカルチャーまでの全方位にカメラを回し、ミレニアル世代から熱狂的な支持を受けるVICEのオリジナルドキュメンタリーを配信しているチャンネルです。なかなか触れることのない世界と出会わせてくれる幅広いラインナップが揃っています。
2. ゲイケーション -世界のLGBTQ事情-
【あらすじ】16歳の少女が予想外の妊娠を経験した「JUNO/ジュノ」などで有名な女優エレン・ペイジと、その親友イアン・ダニエルによるLGBTQ世界旅行を描いたドキュメンタリー作品。同性愛をカミングアウトしているエレン・ペイジが世界中のLGBTQを取り巻く実情に迫っていくドキュメンタリーシリーズ。シーズン1、シーズン2ともに全4話
=============================================
シーズン1のエピソード1は日本。新宿二丁目の移り変わりからスタート。ゲイバーやレズビアンバーに立ち寄り楽しむエレンとイアンをみて、日本という国を楽しんでくれてよかった、とこちらも笑顔になる。夜の街から昼の街へ。秋葉原や池袋のオトメロードにて”BL(ボーイズラブ)”に触れ合う2人。日本在住と思われるLGBTQライターの「同性愛者は現実というよりはファンタジー」という発言に世界からみると独特なカルチャーなのだと改めて感じる。
この作品の良いところは、光となる部分だけでなく、影の部分も描くところだ。あからさまなヘイトや差別はない。だか、生きづらさを感じたり、心無い出来事も起きる。矛盾していて複雑。それが、日本であると。やはり日本人だから、身近な感覚で理解できる部分も大きい。だからこそ、海外の国々の環境にショックを受ける。ゲイというだけで(日本では男性同性愛者に使用する場合が多いが、本来、男女は関係なく同性愛者を指す。本作でもエレンが「私たちゲイは~」と話すシーンも多い)、死の恐怖と隣合わせであったり、矯正を強いられたりすることが生々しく語られる。理由もなく暴力を受けたり、ホームレスや売春をして生きる糧を見出すことをが余儀なくされる。国によっては”光”と思われるシーンよりも”影”のほうが多い。かなりショッキングなアンダーグラウンドまで踏み込んでいて、これはVICEだからこそできる取材力なのであろう。
この作品の最大の魅力は自然体のエレン・ペイジだ。自分の意思、意見をしっかり持ち、様々な場面に遭遇するエレンから発せられる言葉はとても重い。表情からも感情が垣間みえ、溢れる涙や怒り、戸惑いがストレートに感じられる。時々、感情が抑えられなくなりそうになる場面もあるが、親友のイアンがなだめる。この2人の絶妙なバランスと信頼しあっている関係性が素晴らしい。このコンビだったからこそ危ない地域に乗り込んだ時や、大衆がいる場での議員への質問などもうまくいったのだろうと思う。
世界の今のLGBTQの実情を知る上でぜひ、観てほしい作品だ。4年前の作品ではあるが、残念ながら、現実はさほど変わっていないだろう。根深い問題の数々ににすこしでも光があるといいなと願ってやまない。
「ゲイケーション -世界のLGBTQ事情-」はこちらから
3. ザ・レスラーズ
ハードコアパンクバンドのフロントマンであり筋金入りのレスリングファンであるダミアン・アブラハムがレポートするプロレス・ドキュメンタリー。アメリカ、メキシコ、そして、日本のプロレス文化とファンたちを追っていく。シーズン1、全10話
============================================
近年、日本では”プ女子”(プロレス好きの女性ファン)やイケメンの選手などがフューチャーされるなど、人気復活といわれるプロレス業界。本場であるアメリカ、日本、”ルチャ・リブレ”と呼ばれ愛されるメキシカンプロレスなどに携わるレスラーたちに追った本作。リングの舞台裏や選手たちのプロレスへの想いを語るなどプロレスファンにはたまらない内容になっている。エピソード1がデスマッチをテーマにしているので要注意!!(流血、凶器など…)だか、デスマッチファンにはたまらない内容になっているだろう。ハード・コアレスリングのパイオニアと呼ばれる大仁田厚にインタビューしていたり、デスマッチのカリスマ・葛西純の試合からスタートするので、ぜひ観てほしい。(画鋲の上に叩きつけられるなど直視することができない試合に驚愕…!)
「ザ・レスラーズ」で描かれているのはプロレスの成り立ちや人気の背景だけではない。日本でいえば、DDTのこれまでの日本のプロレスとは違った独自性であったり(エピソード2はプロレス団体・DDTがテーマ)、女子プロレスラーの苦悩、外国人レスラーが感じる日本という国…。”プロレスラー”とひとくくりにできない様々なバックグランドが語られる。
特にビックリしたテーマがある。アフリカのコンゴ民主共和国の首都キンシャサで人気の"黒魔術レスリング"である。エピソード9で描かれるこの"黒魔術レスリング"は奇術師が呪物を用いて呪いをかけ、相手の身体を食いちぎったり、自分の腹をナイフで刺したり…。デスマッチとはまた異なる痛々しいショッキングな映像。また、エンターテイメントだけではない人気の背景にも驚きを隠せない。
日本ではスポーツやエンターテイメントとしてプロレスや格闘技を観ることが多いと思う。「ザ・レスラーズ」というタイトルの通り、様々な国の”レスラー”に迫ったドキュメンタリーからみえてくるのは、その国々の問題や現実である。思想であったり、状況であったり…。プロレスや格闘技に興味がないとこの作品に出会わないかもしれないが、ぜひ、観てほしい作品である。
「ザ・レスラーズ」はこちらから
4. セックス・ストーリーズ
【あらすじ】これから「セックス」の話をしよう。 女性のセックスと愛について掘り下げるオトナ向け番組。自分とは異なるセクシャリティを持つ人もいる。価値観はいろいろ。さまざまなセックスにまつわるエピソードや嗜好を紹介していく。Vouge誌でセックスについてのコラムを担当し、性解放の先鋒者として活躍するカーリー・ショルティーノがホストをつとめる。シーズン1全10回
=============================================
直接的な描写を期待した方にはごめんなさい。そういった描写は少ないです。とはいえ、刺激の強いワードや描写がたくさん出てくるので、性的描写や性的な内容に抵抗を感じる方にはオススメできません。。。
初回から驚きの連続。アメリカだからこんなにオープンマインドなのか??そこはわからないが、”セックス”をはじめ、”オーガズム”や”大麻”など…もしかして知らない世界を目にしまったのでは…?と観ているこちらがドギマギしてしまうテーマが続く。
エピソード1で描かれるのは"ライフスタイル・スレイヴ"。日常生活をすべて支えてくれる人を指す。SMのセッション中だけでなく、買い物や掃除など24時間すべてを主人である”ドミトリナクス"に捧げる人に密着する。この一文を聞いて、召使いのような身の回りのお世話をしてくれる事を想像するかもしれない。しかし、”ライフスタイル・スレイヴ”は心までもを委ねている。一見、不思議な関係性にも見えるが、主に身体だけでなく、心までをも委ねられるような信頼関係はなかなかないだろう。
ホストであるカーリーはテーマや密着対象に対してストレートな質問を投げかけ、素直に反応する。率直に意見をぶつけていくのも面白い。良かった、良くなかった、好きかも、私には合わないかもなど…。そのカーリーの考えを聞くことにより、こちら側も考えさせられることは多い。
たまにはこんな刺激的なドキュメンタリーがあってもいいだろう。1話20分程度、1話単発のストーリーなので、見やすく、タイトルだけで観て選んでみてもよいかも。エピソード2「絶頂を求めて」エピソード9「カムガール」などインパクトのあるタイトルも多数ある。
もちろん「セックス」にも「嗜好」にも正解はない。刺激的なテーマやワードが並ぶが、そこで描かれているのは人生観や、信頼、人間関係である。もしかすると”自分さがしの旅”かもしれない。近道かもしれないし、遠回りかもしれない。それは踏み出してみないとわからない。様々な価値観を知ることで、”新しい扉”が開き、本当の自分に出会えるかも…?
「セックス・ストーリーズ」はこちらから
=============================================
【VICE on Hulu】から個性の違う3本をご紹介しました!おうち時間が長くなってきて、次は何観ようかな?と思っている方。いつもとは違うジャンルにチャレンジしてみたい方。ぜひ、VICEチャンネルをのぞいてみてください。この3本以外にも刺激的で面白い世界のアレコレが集まっています!!