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ミゲルとジョルディの素晴らしいニッポン蹴球~2023ニッポン蹴球2大ニュース~

ミゲル(M):オラ ジョルディ。クリスマスはどうやって過ごしたんだい?
ジョルディ(J):オラ ミゲル。彼女と嵯峨野散策さ。
M:いいねぇ。
J:久々に広沢池ひろさわのいけに行ったら池の水が干上がっていてびっくりしたよ。
M:あぁアレね。毎年12月の初めに水を抜くんだよ。「鯉揚げ」っていうみたいよ。池で育てている鯉を捕まえてその場で売ったり、料亭に納めたりするんだって。かなりデカい鯉が獲れるみたい。稚魚を放流して1年間育てとくんだって。
J:へぇ~。じゃ3年くらい水抜かずに放っとけばイルカみたいなのが獲れるかもね。
M:獲れねぇよ・・・。ところで、今回はニッポン蹴球今年の大ニュースって企画なんだけど、キミにとっての大ニュースはなんだった?

J:そりゃ われらがラ・ロハ(スペイン代表)がなでしこジャパンに完敗したことでしょ。
M:女子W杯ね。4-0でなでしこがラ・ロハを粉砕。
J:2014年W杯のオランダ戦(1-5)や2022年W杯の日本戦(1-2)に並ぶ屈辱の敗戦だったね。
M:確かに。なでしこに上手く守られた。中盤の入り口辺りで守備の網を張られて、チャレンジ&カバーを完璧にやられたね。そして毒針のようなカウンター。
J:あの戦い方はホント憎たらしかった。3-6-1の可変システム、ミーシャ・ペトロヴィッチの十八番だよね。アレを代表レベルであそこまで完璧にやったチームって男子も含めて他に思いつかないよ。
M:みんなで顔振って声掛け合ってすげぇ細かく守備の位置取りを修正してね。いやぁ参ったよ。
J:選手一人ひとりのフットボールIQがすごい高いなって感じたね。アタマ良くないとあのフットボールはやれない。
M:テクニックもしっかりしてた。右利きか左利きかわからないくらいどっちの足でもスムーズにボールを扱える選手が何人もいた。日本の育成ってすごいね。
J:欲を言えばバランス良すぎ。突出した「何か」をアピールできる選手はいなかったね。やってくることがわかっててもやられちゃう。みたいな選手はいなかった。
M:賢くて、上手くて、組織の要請に忠実で・・・。
J:上手くいってるときはすごいよね。スペイン戦みたいに。ただ、想定外の苦境に直面すると自分たちで修正できない。ベンチの顔色窺っちゃうっていうか・・・。
M:スウェーデン戦のコト言ってる?
J:そうそう。自慢のビルドアップを中盤でゴリゴリに潰されたときに建て直しが効かなかった。監督も「手を打つのが遅れた」って認めてたしね。
M:この辺は日本人の組織にはよくあることみたいよ。今の日本企業や旧日本軍もそうだったみたい。
J:まぁどの民族でも強みもあれば弱点もあるよ。スペインだって負けてるのにやり方変えれない。相変わらずショートパスつなぐばっかり。2022年の日本戦もそうだったよね。
M:一時期のバルセロナの影響強すぎなんじゃない?ティキタカだかなんだか知らんけど、つなぎゃぁ良いってぇもんじゃない。試合の流れや相手のやり方に適応しなきゃ。
J:まぁ今日のテーマはバルサじゃないからさ。で、キミの大ニュースはなんなんだい?

M:僕の場合はね、同じフットボールでも親戚のラグビー。
J:おお、そうきたか。ラグビーW杯。
M:ブレイブ・ブロッサムズの戦い。
J:なによそれ?
M:ラグビーの日本代表のことをそう呼ぶの。
J:へぇそうなの?知らなかった。
M:なでしこやサムライブルーほどは一般的じゃないよな。
J:なんか広告代理店が無理やり捻り出した感があるよね。「ラグビーでもチームの愛称をつけましょう!!」みたいな。で、そのブレイブ・ブロッサムズはどうだったの?
M:大会の結果も残念(グループリーグ敗退)だったけど、ニッポン伝統のつなぐラグビーを放棄しちゃったことがもっと残念。
J:ほぉ、こっちはつながないとダメなのね。
M:まぁつなぐっていうか回すっていうかね。前回大会もその前も、いやもっともっと前、宿沢カントクの時代から、日本のラグビーは「接近・展開・連続」なのよ。
J:そうなの・・・?よく知ってるね。
M:ところが今大会はそれをやめちゃった。スクラムハーフのところで密集のウラに蹴るばっかり。ながれっていうスクラムハーフは個性的で好きだったけど、いくら何でも蹴り過ぎ。センターやウィングに人材がいなかったのかもしれないけど・・・。
J:確かに松島はFBにコンバート、とか言われてたけど結局ウィングで出てきたしね。で、明らかに突破力は落ちてたし。
M:だろ!ま、全体の趨勢として今大会は「回す」ラグビーの旗色は悪かったけどね。ニュージーランドも決勝では完敗したし。
J:一方でイングランド躍進。ウラ解説で五郎丸が口を極めて皮肉っていた「蹴る」ラグビーはホント、ひところのアーセナルみたい。退屈のひとこと。それで熱狂できるイングランド人ってフシギな人たちだよね。
M:まぁそれはともかく、一番ハラ立ったのは、日本の敗因が「選手層の薄さ」なんて言われてたこと。選考メンバーの半分近くが「ガイジン」だったのにそれで「選手層薄い」って、じゃ日本国籍選手だけでチーム編成したらどうなってたんだよ!?ラグビー協会の育成/強化担当の責任者出てこい!!!
J:いやいや、「責任者出てこい!!」って大昔の漫才師(人生幸朗)みたいなコト言ってないで。そもそも「ガイジン」選考は国際ルールに則ってるんだからほとんど言いがかりでしょ!
M:「私はそれが言いたい!!」
J:幸朗師匠のギャグなんだけど古すぎてわかんないよ。

M:ということで、年末になってスタートしたこの企画ですが、来年も言いたい放題しゃべくりますんで、どうかよろしくお願いいたします。
J:ニッポン蹴球にとって来年が良い年になりますように。
2人揃って:Feliz Año Nuevo! フェリス アニョ ヌエボ!(よいお年を!)■

(この対談はフィクションです。筆者の思いは色濃く反映されておりますが・・・。)

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