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『なぜ自信がない人ほど、いいリーダーになれるのか』は、女性管理職数のKPI設定よりも大切で本質的なことを教えてくれる。

昨今では、「多様な人材の登用」が組織づくりのテーマとして重要視されてきていますが、「そもそもなんのために、どんな風に多様な人材が活躍する環境を整備していくか」という本質的な議論がなかなか進んでいないというのが、人事界隈での率直な感想だと感じています。

これは、「周囲の理解を深めよー!」的な単純なインクルージョンの話ではなく、「経営課題を解決するための多様性」を獲得するためのプランニングと組織デザインをどうするかという議論です。

「人的資本開示」の流れの中で、有価証券報告書への記載なども求められ始め、企業は女性管理職登用比率などのいわゆる多様化KPIを設定することが
目的化してきているように思います。

先に目標数値ありきの今の流れが悪いとは思いませんが、同時並行的に本質的な議論が進まないまま、KPIだけが一人歩きすると、実際に登用された人が幸せになれないケースが多く出てくるように感じていて、この「開示」圧力をうまく使って、社内の議論を活発化させていくべきだと思っています。

色々と議論しなければならない中で、僕が最も課題だと思っているのが、登用される当事者が十分なリーダーとして心構えや教育を獲得していないうちに、数値KPI達成のための促成栽培型リーダーに登用されてしまうことです。

そういう促成栽培型リーダーは、自分の準備ができていない中で、難しいマネジメントを強いられるポジションが用意されることがあります。年上の部下を多く持ったり、ひどい場合にはKPI達成を目的に無理矢理作った管理職ポストをあてがわれたり。リーダーとして成果を焦る一方で、なかなか目に見える成果が出づらい環境に置かれることがあります。

そして何よりも辛いのが、「男性型リーダー像」という、目に見えぬ「型」に無理に収まろうとして苦労し続けていくことです。

多様な人材の活用において、こんな課題感がある当事者や、上司、人事と経営は、この本を手に取られてはどうでしょうか。

課題感(本書より)
・リーダーに抜擢してから評価が下がってしまった
・女性が必要以上に女性に厳しく、女性を過小評価してしまうケースがある
・女性リーダーは男性よりも多くを求められる苦しさ(寛容さ+強さ)
・私らしいリーダー像の作り方と現場での実装について
・「リーダーになる自信がない」を払拭する考え方=正しいリーダー像
・自信がない人が強くなれる武器の身につけ方


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