セイウンスカイの魅力&勝つ条件?-天皇賞・秋直前すぺしある-

※この記事は1998年の2冠馬セイウンスカイのファンサイトに掲載していたものの再掲です。

1.変幻自在?

 札幌記念はびっくりしました。逃げはしなくても前々で競馬をすると思っていたので、スタンド前の位置取りを見て「うわー、大丈夫かな」と心配しました。そして、3角手前からのまくり上がり。手応えは良かったけれど「あれじゃぁ、直線で止まるんじゃないか」とヒヤヒヤしましたが、しっかりゴール前まで伸びてくれました。

 で、このレース結果から「秋天の位置取りは?」とまあライバル馬の陣営だけでなく、ファンとしても悩ましいわけです。逃げ馬が大分揃ってしまったし、だいたい、最近のセイウンスカイはスタートがあんまり良くありません(^_^;そんな訳で、今回も(これからも?)あの素晴らしい逃げっぷりは見られないだろうなとちょっぴり残念な反面、いったい今回はどんなレースを見せてくれるのか楽しみでもあります。

2.1人が1番

札幌記念を見ていて分かったのは「要は君は1人で走るのがいいんだね」ってこと。彼にはどうも位置取りは関係ないみたい。誰にも邪魔されず、とにかくマイペースで走れれば力は出し切れるのでしょう。極端な話、最後の脚さえあれば、後方ぽつんの追い込みだっていいのかもしれません。有馬記念も天皇賞・春も終始、後ろからつつかれたり外から被されたりしての結果。逆にホウエイコスモスが単騎逃げ、離れた2番手で悠々と進めた日経賞や、中団よりやや後方からでも殆ど他馬に並ばれることなく進めた札幌記念では、GIIとはいえ楽勝でした。自分の視界を他の馬がうろちょろするのが我慢ならないんでしょうか?うーん、それわちょっとわがままだぞ。逆に言えば、セイウンスカイを負かそうと思ったら、常に側にくっついてうろちょろすればいいんです、きっと。あああぁぁぁ、それだけわやめてぇぇぇ。。。>他の馬

 真に強い馬になるには馬群の中で揉まれても動じない馬にならないと…。でもセイウンスカイはもう5歳。人間で言えば20歳でしょうか。二十歳を過ぎたら根本的な性格や人間性は変わらないと言います。横山典騎手がそんな彼の性格をどこまでカバーできるか、に掛かっているのでしょう。

3.妙な毛色

 今週のギャロップ誌の写真見ました?「流星のように見える鼻筋の白が拡がってきたように見える。そのせいか、生来のすっとぼけたような顔が、ますますすっとぼけた顔に見える。」と魅力Part2の方で書いたんですが、その度合いに磨きがかかってますね。正面から見ると、まるで鈴木その子のごとく、真っ白。顔だけ白塗りにしたかのように。でも、顔の側面は渋谷あたりをうろちょろしている山姥のようなガングロ女子高生色なんですね。はっきり言って、かなり変です。胴のあたりは芦毛馬らしく「残雪模様」なんかも浮き出てきたんですが、首すじはまだまだ茶色。あの感じだと、いくら顔が白くなっても、しばらくはファンデーションを塗り忘れた首のようです。(でも、ギャロップ誌のP4の写真はとっても可愛いの)

 もっとも、芦毛馬は真っ白になると成長が止まるという俗説もありますから(ホンマかいな、と思いますけどね)、しばらくはその顔でいいよ、うん。

4.やんちゃな性格とパドックでの評価

 最近ではすっかりゲートの入りも良くなりました。前科があるので、相変わらず一番先に枠入りさせられちゃってますけど。ただ、パドックではまだまだ煩いです。札幌記念でもしっぽをぱたぱた振ったり、小走りになったり。後でビデオを見たら「何だかセイウンスカイだけが、このメンバーの中で4歳馬みたいですねぇ」などと酷評されていました。大川氏を始め、パドックでの評価は良かったためしがないんですが。一度でいいから、誰か褒めてくれないかなあ。私が見たら、お尻なんか相当いいと思うんだけどなあ。ダメ?

 -なんて書いていたら、27日のスポニチで美浦黄門様(堺勝太郎元調教師)が、馬体診断でセイウンスカイをなんと100点満点に推されました。「最近ではこれほどまでに素晴らしく成長を遂げた馬を見た記憶がない」と絶賛しておられます。「馬に惚れるな、が私の信念ですが、思わず惚れ惚れしてしまうほどの馬体」など、ちょっと褒め過ぎでは?と思えるほどのコメントです。
 美浦黄門様は皐月賞でもスペシャルウィークを差し置いて、セイウンスカイを満点に評価したり、有馬記念ではグラスワンダーの馬体を「これで走らない訳がない」と断言したりしていて、とても気になる存在でした。今回このような評価で、とても嬉しかったです(^_^)

5.1番人気

 有馬記念で初めて1番人気に推されて以来、日経賞、札幌記念、そしてまたしてもGIでの1番人気を背負うことになりそうです。去年、あんなに勝っても勝っても1番人気になれなかったのが、ウソのようです。ずーっと馬券を買い続けている身にすれば、これはかなり辛いです。日経賞も札幌記念も点数を絞りながら、何とか連も的中させましたが。今回も点数を絞るのはかなり難しそうです。とはいえ、日経賞や札幌記念のように単勝1倍代なんて事はないと思うけれど。オッズ的には魅力大幅減のセイウンスカイですが、いかに点数を減らすかを強いることで、馬券ベタの私に少しは教育してくれているのかも・・・。

 いやいや、私の馬券の話なんてどうでもいいんです。もっか11連敗中の天皇賞・秋の1番人気。もうそれだけで斤量にして10kgはあるのではないかという重圧。つまりセイウンスカイは今回68kgを背負って走るようなものです(チト大げさ?)。ああ、どうしてあんなに負けちゃうかなあ、スペシャルウィーク。順当に勝ってくれていれば、斤量10kgに熨斗つけて1番人気を差し上げたのに。

 しかし、こればっかりは嘆いていても始まりませんね。評価されている証だし。喜ぶべきなんでしょう。それに。そんなタチの悪いジンクスは、かの馬が全部背負って天に召されたのだと信じたい気もします。あの翌週、ともすれば胸を押し潰しそうだった重苦しい空気をさぁっと吹き払うように逃げ勝ったセイウンスカイ。40年近くも続いてきた「逃げ馬は菊花賞では勝てない」ジンクスだって破ったのですから、今年は東京で、また新しい風を起こして欲しいのです。

6.左回り?

 今回セイウンスカイの取捨として取り上げられているポイントが「左回りは?」。確かにセイウンスカイにはダービー4着以来、これが2度目の左回りコースです。左回りがどうなのか、参考となるレースが負けたダービーしかないのですからねぇ。「?」がついてしまうのは仕方のないことでしょう。

 ただ私の印象としては、悪くないです。ダービーと菊花賞の最終コーナー。カメラワークの違いもあるかもしれませんが、スムーズに回れているように見えるのは、どちらかというとダービーの方なんですよね。菊花賞もですが他の右回りでのレースにおいても、最終コーナーを回る時のセイウンスカイは、いつも首を外の方に(つまりは左の方に)傾けながら、ちょっと不自然な格好で回ってきます。これは調教の映像でも同じです。

 ダービーの時はスムーズにコーナーを回ってきた後、先頭で逃げていたキングヘイローをすぱっと交わす脚を見せてくれました。交わした後は苦しがっちゃって、顔をあさっての方に向けちゃったままスペシャルウィークにあっさり抜き去られちゃうんですが(^_^;
 という訳で、私は左回りが得意とまではとても言えないけれど、苦手というわけじゃないような気がしているのです。これって、贔屓目?

7.枠順

 もう気づいていらっしゃる方も多いと思いますが、彼と相性がいいのは内枠。特に2枠は皐月賞・菊花賞(ジュニアCも)と勝っていますから、これは絶好の枠と言えそうです。他に1枠で京都大賞典、3枠で札幌記念を制しています。

 反対に絶対に入って欲しくないゲンの悪い枠は6枠。ダービー、有馬記念、天皇賞・春。思い出すだに涙が出そうになるGI敗戦は、すべて6枠なのです。8枠で新馬戦勝ちがありますが、7枠では弥生賞、スペシャルウィークに差し切られて負けてしまいました。

 やっぱり、内枠。それももし2枠に入ったら、もう優勝したも同然的に、単勝購入額が一気に倍増しそうです(^_^;

 -ところが今、とあるMLからちょっと不安になるデータが届きました。府中2000mで、勝率、連対率共にトップなのが6枠。勝率の最も低い枠が2枠(連対率が最も低いのは1枠)。見事に、セイウンスカイの傾向と逆を行ってます。なんとまあ、悩ましい。これでは、2枠=ハッピーになる事はできませんねぇ。そして、一番人気馬が1~4枠に入った場合、なんと勝率0。がぁぁぁん。セイウンスカイは内枠が好きだけど、盾は外枠が好きみたい。どうしたらいいものか(って、私が考えてもしょうがないか)。

8.そして晴れ男

 「晴れ男」とは言っても、「レースに出る度に晴れる男」ではありません。「晴れていると、勝つ男」というイミです(今勝手に作りました)。皐月賞は4月だというのに、まるで夏のように暑い快晴。京都大賞典だって晴れていたし、菊花賞もやっぱり暑いくらいの秋晴れでした。日経賞も晴れていたし、札幌記念はレース前にちょっと雨が降りましたが、レースの時には晴れていました。

 反対に、ダービーの時は妙に肌寒くて小雨の降るようなぺったり曇っていた日だったし、有馬記念も曇り。この二つのレースは4着。弥生賞2着、天皇賞・春3着の時は晴れてましたけどね。べったり曇ったり、雨が降ったりしている日は、複勝の対象にもならないみたいです。

 -今のところ(27日現在)、天皇賞・秋当日の東京の天気予報は晴れ時々曇り。降水確率は20%です。まずまずのお天気に恵まれそうですね。セイウンスカイの名のように、きれいに晴れ上がって欲しいものです。

-もうあと4日ですか。天皇賞も来年からは内国産だけのレースではなくなります。最後の内国産限定の天皇賞。これで内国産古馬の頂点に立って、来年の天皇賞・春、天皇賞・秋で強い外国産馬たちに立ち向かっていって欲しいのです。まあ、そういう意味では父内国産のエアジハードやメジロブライト、ツルマルツヨシ、ホッカイルソーにも熱いエールを送りたいもの。

 何はともあれ、全馬無事に。去年掲げられていたあの横断幕は、今年もあの場所に掲げられるのでしょうか。

(1999/10/27記)


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