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【あややノート】第22回「自分で決める」ということ

こんにちは。HUG for ALL代表のあややです。今回のテーマは、私がこれから生きていく上ですごく大切さを感じている「自分で決める」ということについて。自分のこと・これからの社会のこと・子どもたちのことという3つの側面から綴っていきたいと思います。

「自分で決める」が苦手な私

「自分で決めるが大事」と言っていますが、実は私自身「自分で決める」が苦手だったりします。

今でも覚えているのは、大学生になって授業選択を自分ですることになったときのこと。それまで全部「決まったことをちゃんとやる」が正しいと思ってきたのに、いきなり「自分で選ぶんだよ」と言われて、何をどういう基準で選べばいいのかもわからず、正直途方に暮れました。

実はこの苦手意識は今でもあります。さすがにもう大人になったので「自分で決めるしかない」ということはわかっているけど、それでも「決める」ということへの恐れや戸惑いが出てきてしまう。

多分私の中には「正解があるはず」という思い込みがあって、「自分が決めた結果が不正解だったらどうしよう」と、心のどこかで思っているから、「決める」っていうことに躊躇しちゃうんだと思います。

でも、人生を生きていく上で、自分で仕事をしていく上で、「自分で決める」がなかなかできないのって、すごくしんどいです。自分もしんどいし、周りのことも振り回してしまう。ああ、なんとかしたいなぁ・・・というのは、特にこの数年向き合い続けている大きなテーマだったりもします。

VUCAの時代だからこそ・・・

変化が大きく、不確実で、複雑で、曖昧。そんなこれからのVUCAの時代は、いろんな要素が絡まっていて、何が正しいかなんて誰にもわからない。

一方で、いろんな立場の人がそれぞれの視点からの「正しさ」を発信している情報はあふれていて、その取捨選択も難しい。

自分で決めることなく、そのときの流れにただ乗ってしまうと、本当にいろんな波に翻弄されてしまいそうな気がします。何を信じるか・何を正しいと考えるか・実際にどう行動するか。「自己決定」をすることが、これからの社会を生きていくための必須スキルになるのだと思います。

自己決定が苦手な私自身も「このままじゃまずい・・・」と思うのが、これからの社会。未来を生きる子どもたちにとって「自己決定力」は大切な「生きる力」になるのではないかと思います。

自己決定の力を奪われた子どもたち

児童養護施設でくらす子どもたちは、これまで多くのことを「周りの事情」で決められてきた子どもたちでもあります。

そもそも彼ら彼女らの意思が尊重される家庭環境ではなかったり、保護される際も本人の意思とは関係ないことも多い。措置されることも、措置される場所も、地域も、自分で選ぶのではなく、受け身にならざるを得ない。

「自分がどこでどう生活したいか」という生活の基盤になる部分で、自分の思う通りにならない。誰かに決められたことに従うしかできない。そんな彼らは、ある意味「自己決定ができない」という強烈な経験をしてきたとも言えます。

「自分が決めたことで周りが変わる/何かが変わる」という経験を積み重ねることで、子どもは「自己決定」の力を育みます。逆にいうと、児童養護施設でくらす子どもたちは、「自己決定の力を奪われる」体験をしてきたのかもしれません。

でも、だからこそ、一歩ずつ、ひとつずつ、自分で何かを決めて、それがうまくいって、自分やまわりが喜ぶ結果を出す機会を、子どもたちに作っていきたい。

人との関わりの中で傷つけられたものは、きっと人との関わりの中でだけ、回復していくのだと思います。私たちHUG for ALLが関わることで、子どもたちの「自己決定する力」を高めることができるだろうか。いま、私の中にはそんな問いが生まれています。

さいごに

今回は「自己決定力」をテーマに話してみましたが、これからの社会を生きる子どもたちにとっての「生きる力」というのは本当にさまざまだなと思います。

もしかするとそれぞれの子どもにとって、生きる力は違うのかもしれない。組み合わせも無限大なのかもしれない。そんなことも考えながら、一人ひとりの子どもと向き合い、寄り添っていきたいと思います。

HUG for ALLとして、これからの未来を生きる子どもたちにどんなまなびの機会を提供し、どんなふうに共に育っていくか。これから私たちが向き合っていく大きなテーマです。

しっかりとこのテーマに向き合いながら、これからも活動を続けていきます。引き続き応援をいただけるとうれしいです。




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