【HUGノート】まなびの種を見〜つけた!
こんにちは。HUG for ALL代表のあややです。10月の「まなびクエスト」では子どもたちのいろんな興味がいろんなまなびにつながっている様子が見えました。今日はそんな子どもたちの様子をレポートします。
ミニカーの走行距離に試行錯誤
まなびクエストにやってくるなり、おもちゃ置き場に走っていって真っ赤なミニカーを持ってきたのは、自由奔放な小3生のれみちゃん(仮名)。
後ろに引くと前に進むというばねの原理をつかったしくみで走る車に、れみちゃんは夢中。「まなびクエストは~?」と聞いてみても、どこ吹く風です(笑)。
それならとことん付き合おう!と、クエストフレンドのKAOといっしょに、れみちゃんの興味に寄り添う大作戦。ミニカーを走らせるれみちゃんの隣に座って、腕でゴールを作って「ここまで届くかな?」と声をかけます。「ただ走らせる」ではなく「ここまで走らせる」という目標ができたところで、れみちゃんの試行錯誤が始まりました。
ちょっと後ろに引いただけではあんまり進まない。いっぱい引きたいけど机の大きさもあって限界がある。一度机から離してしまうとダメ。まっすぐ走らせないと壁にぶつかって机から落ちてしまう。机と机の間の隙間を乗り越えるのにスピードがいる。
だんだんとゴールまでの距離を伸ばしながら何度も挑戦する中で、れみちゃんがいろんなことを試しているのがわかって、見ている私もなんだか楽しくなりました。将来ばねの原理を習ったときに「これはあのミニカーでやった!」って思い出してくれるといいなぁ。
ちなみにこのあとしばらく、ミニカーの走行距離を伸ばすことに熱中していたれみちゃんですが、10分ほどたつと自分の中で区切りをつけて、ミニカーを窓枠において、カバンからプリントを取り出して自分で取り組み始めました。
まずは本人の興味にとことん付き合えば、自分でうまく調整できるんだな~というのも新たな発見。これもれみちゃんの成長だなぁと感じました。
それぞれに問題の出し合いっこ
まなびクエストでの定番は「お絵描きしりとり」の4年生のしょうくん(仮名)。いつもはわいわい盛り上がっているのに、この日はしょうくんと担当クエストフレンドの2人が黙々と紙に向き合っていました。
「あれ?なんだか今日はちがうことやってるっぽい?」と思って、しょうくんの側に行くと、なんとみんながそれぞれ算数の問題を解いていました!これまでほとんどの時間がお絵描きOR工作だったしょうくんですが、算数の問題もスラスラ解いていました!
「今日は問題の出し合いっこをしよう」と3人で話して決めたそうです。しょうくんの学びに向き合う姿勢が変わってきているのかなと感じました。
出題の達人①
「問題を出す」ということについては、実は子どもたちって天才だなって思います。最近オリジナルのなぞなぞがブームなのは小3のゆづきちゃん(仮名)。
ゆづきちゃん独特の感性や世界観から出される問題に、大人は四苦八苦。でも、問題や答えになんだかゆづきちゃんらしさが溢れている気がします。
ではここで2問。
1問目:ワニはワニでもやさしいワニは?
2問目:そらでも食べられるものは?
(答えは写真の後で!)
(答え)
1問目:おかあさんワニ
2問目:わたがし(空→雲→わたがし)
クエストフレンドたちに「なんでその答えなの?」と聞かれて、一生懸命説明するシーンもあって、これも大事なまなびの時間だなと思います。
そしてさらにもう一つ。実はゆづきちゃん、カタカナの「書き」には少し苦手意識があって、なかなかプリントなどには取り組まないんです。でも、こうやってなぞなぞを出題するときには、カタカナも楽しみながらいっぱい書いています。「あそび」の中で学んでいくというのは、きっとこういうことなんだろうな。
出題の達人②
もう1人の出題の達人は小6のまいかちゃん(仮名)。この日はクエストフレンドのまいまいがホワイトボードの前で悩んでいるのを、ニコニコしながら見ていました。
「何してるの?」と聞くと「まいまいに問題出してるの!間違えたら"マイナス言葉"のカードを渡すの!」と教えてくれました。チェックインで使っている「オノマトペカード」の新たな使い方…!!!
その後私も参戦して、見事に正解できたので"プラス言葉"のカードをもらいました。
クイズを出すこと・ヒントを出すことはすごく頭を使うことですが、それに加えてオリジナルのルールを作ってゲームにすることって、すごい創造力だなと思います。
さいごに
まなびクエストでは、子どもたちの興味に向き合い、対話をしながら、子どもたちの好奇心を高めたり、何かを考えるきっかけを作ったり、一緒に勉強をしたりしています。
子どもたちが「おもしろい」と思うものを、子どもたちと同じ目線で見て見ると、いろんな広がりがあることに気づきます。また、その広がりを少し遠くから見て見ると、その中にあるいろんな「まなび」にも気づきます。
子どもたちと過ごす時間の中には、いろんなところに「まなびの種」が転がっている。それを意識しながら、これからも子どもたちとかかわっていきたいと思います。