見出し画像

【あややノート】第32回 「25歳」という年齢の意味について

こんにちは。HUG for ALL代表のあややです。毎日の暑さにエアコンが手放せなくなってしまい、暑さと冷えで体が混乱しています(笑)。

さて、HUG for ALLでは「幼児〜施設退所後25歳まで」を支援対象(※)としています。なぜ25歳なのか。25歳以降はどうするのか。今日はそんなことについて、書いてみようと思います。

(※)子どもたちとは対等な関係性でいたいので、本当は「支援対象」というのは違和感があるのですが…。まだちょうどいい言葉が見つかっていないので、今回は一旦仮で「支援」という言葉を使います。

子どもたちとHUG for ALLとのかかわり

児童養護施設でくらす子どもたちとHUG for ALLがどうかかわるか。子どもの年齢軸で整理してみると、以下のようなイメージになります。

子どもたちとHUG for ALLのかかわり

まずは施設にいる間。「安心できる居場所」の1つとしてのクエストフレンドとの関係性を育み、自分自身の「生きる力」を育む子どもたちに、HUG for ALLは寄り添っていきます。

施設を出たあと18歳から25歳までは、クエストフレンドと対等な関係性を育み、自分の力で人生を歩んでいくための準備期間。HUG for ALLではこの期間まで「伴走者」として子ども(若者)に寄り添いたいと思っています。

そして25歳以降。これ以降は子どもたち(若者たち)は「自立した一人の大人」として、クエストフレンドとも団体を通したつながりではなく、個人と個人のつながりで、新しい関係性をつくっていきます。

施設にいる間から25歳まで、ずっとつながってきた相手。「団体」という仲介者がなくても、きっと個人としてつながることができるはず。それは、私が信じていることであり、願っていることなのかもしれません。

なぜ「25歳」?

子どもたちは高校を卒業するタイミングで、施設を出て一人暮らしを始めることが多いです。「18歳成人」も始まり、18歳で施設を出ると、社会的には「自立した一人の大人」として見なされるようになりました。

でも、人って、そんなにすぐに「大人」になれるわけじゃないですよね…。というか、今でも「大人って何?」と思うくらい、私も子ども時代の自分と、20代・30代・40代の自分との境目ってどこにあるのかがわかりません。

「子ども」と「大人」に境目があるわけではなく、社会での様々な出会いや経験を通して、徐々に「大人としての経験値」が積みあがっていくような感覚なのかもしれません。

ただ、その「大人としての経験値」がある程度積みあがる時期・年齢はあるような気がします。その観点でいったん線引きをしたのが「25歳」という年齢です。

大卒の場合は社会人3年目くらい。私自身を顧みても、友人たちを考えても、まわりの若者たちを見ても、施設職員さんに話を聞いても、なんだか「25歳」が一つの節目になりそうなので、一旦そこまでを「支援期間」と置いています。

ただ、それを絶対的なルールと考えているわけではありません。

今、私たちの目の前にいる子ども・若者たち。一人ひとりに寄り添い、それぞれの姿を見つめたときに、25歳以降も団体としてかかわることが必要な子がいたら、そのときにはルールを変えて、その子に関わることを決断すると思います。

25歳を超えた彼らと「かかわらない」訳ではない。逆に言うと「団体としてかかわる」可能性も残しつつ、新たに「個人としてかかわる」という可能性が加わったということなのかもしれません。

まずは目の前の子ども・若者の姿と、彼ら彼女らの状況を見て、柔軟に形を変えながら関わりを続けて行く。団体としても、個人としても、それができることが、私たちの強みであり、特徴でありたいなと思います。

長い人生、いろいろある

HUG for ALLでかかわった子ども・若者たちとは、人生を通して、何らかの形でかかわり続けたい。これは私の願いであり、漠然と持っているイメージでもあります。

18歳~25歳って、友人関係で悩んだり、恋愛や結婚で悩んだり、進路に悩んだり。初めて経験することもたくさんあって、ちょっとしたことから大きなことまで、いろんな悩みを抱えやすい時期ではあると思います。

でも、25歳を超えても、もちろん悩むことも困ることもたくさんあって。私がいろんな人たちに、苦しいときに支えてもらってきたように、私も、HUG for ALLで出会った子ども・若者たちの力になれたらいいなと思うし、困ったときに顔を思い出してもらえたらいいなと思います。

でもその一方で、「私を絶対に頼ってほしい」とは思いません。彼ら彼女らが、自分のまわりにいる人たちを思い出して、そのとき頼りたい人に頼れるといい。そのとき思い出せる人が一人でも多く、そして気兼ねなく頼れる存在であるといい。それが、私の願いです。

長い人生、いろいろある。
その「いろいろ」を分かち合いたいと思えるように。
なにかあったときに少しでも顔が浮かぶ存在になるように。
そんな関係性が「安心できる居場所」なのかなと思います。

いま私たちがつながっている、一番上の年代が18歳。
25歳まであと7年。

これからも少しずつ、子どもたちと共に過ごす時間を大切に、未来に向けて関係性を紡いでいきたいと思います。引き続き、HUG for ALLを応援いただけるとうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?