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【あややノート】第27回 HUG for ALLのこだわりたい価値観(2)

こんにちは。HUG for ALL代表のあややです。あっという間に2月が終わり、もう3月。梅もあっという間に満開になり、寒さの厳しい中でも、春が近づいていることを感じます。

施設の近くにも蝋梅が!

施設職員さんとも「あと一ヶ月ですね…!」と、子どもたちの門出に向けての日数を指折り数えるようになってきました。

さて、今回は前回に引き続き、HUG for ALLの「バリュー」についてお話します。

HUG for ALLのバリュー

「私たちのこだわりたい価値観はなんだろう?」という問いを立てて、仲間たちとの対話を繰り返し、辿り着いたのがこの5つのバリューです。

HUG for ALLのバリュー

前回は上の2つをご紹介したので、今回は下の3つについてお話したいと思います。

経験のすべてが学びになる

くらし・あそび・対話、日々経験したことのすべてから人は学んでいく。一人ひとり、一瞬一瞬、起きていることにセンサーを光らせよう。

「学校の勉強だけが学びじゃない」
よく言われる言葉ではあるのですが、HUG for ALLの活動を始めて、改めて私の中でこの言葉の重みを感じるようになりました。

実は私たちも、2018年頃は「都立高校に入る学力をつけるために評定2.5を目指す」なんてことも言ってました。でも活動を続ける中で、本当にすべての子どもが「学力を高める」事を目指す必要があるんだろうか、という問いがうまれてきました。

もちろん「学校の勉強」でいい点をとることを目指して学ぶ子がいてもいいんです。それがその子にとって大事なことだったり、本人の中に少しでもそういう願いがあるのなら。

でも、社会で生きていくためには「学校の勉強」だけをしていればいいわけじゃない。何かに挑戦して、成功したり失敗したり。友達や周りの人と遊んだり、しゃべったり、ケンカしたり、仲直りしたり。笑ったり、泣いたり、怒ったり、喜んだり、ときめいたり。

そんな一つひとつの経験はさまざまな形で人の中に積み重なっていくのだと思います。それが「学び」になるかどうかは、それぞれの捉え方だったり、気づきがあるかどうか。だからこそ、私たちは子どもたちと過ごす一瞬一瞬にアンテナを立てて、子どもたちの経験が「学び」になるように言語化をしていきたい。

このバリューには、そんな想いを込めています。

じっくり、ひとつずつ

小さなひとつひとつが私たちをつくっていく。
丁寧に積み重ねていく先に起こることを信じて、ともに時間をつむごう。

私たちが子どもたちと過ごす時間は月に一回。少ない子は1時間弱。長い子でも3時間くらいです。子どもたちの毎日でいうと1%あるかないか。

でも、その1時間〜3時間が、年に12回、10年積み重なっていったとしたら。10年間で1200時間。それぞれの人生への影響はきっと小さくないはずです。

虐待やネグレクトを受けてきた子どもたちの傷は簡単に癒えるものではないかもしれません。だからこそ、劇的に回復する特効薬を探すのではなく、ひとつひとつ、薄い紙を重ねていくように経験を積み重ねていく中で、ゆっくりと、でも着実に起きていく変化を、見守りたいと思います。

ゆっくり、焦らず、ひとつずつ。その時間に意味があると信じて、積み重ねていくことを大事にしたいと思います。

「知る」ことからはじめよう

人はだれもが肯定されたいと願っている。
正しさはそっと横において、相手の考えや背景を知ることに心を寄せよう。

「なんでそう思うんだろう?」
「なんであんな行動をとったんだろう?」
「なんでそんな言葉がでてくるんだろう?」
「いま何を思ってるんだろう?」
「本当は何がしたいんだろう?」

人と触れ合っていく中で、私の中にはいろんな疑問が湧いてきます。自分の中でそれを勝手に解釈して、その延長線でもやもや悩み続けるということを、私は子どもの頃からずっと繰り返してきました。

そんな私が最近ようやく気づいたのは、いくら勝手に考え続けたとしても、相手のことは本当にはわからないのだということ。そして「本当はどう思ってるの?」と聞かないのは、私自身の「気まずくなりたくない」という恐れからなのだということです。

その恐れを捨てて「本当はどう思っているの?」と聞いてみること。一瞬の気まずさに意識を向けるのではなく、相手の想いに目を向けること。これはまさに私自身が人生を通してチャレンジし続けていることのような気がします。

そしてもうひとつ。私の中には自分自身の「正しさ」を認めてもらいたい!という気持ちがあります。

でも、その一方で、その「正しさ」は個人によって異なっていて、それぞれがその正当性を証明しようとすると闘いになってしまうことも、これまで散々経験してきました。

だからこそ「正しさはそっと横において」、他の人との関係性を紡いでいきたい。これもやはり私自身が、人生を通してチャレンジし続けることかもしれませんが、そんなふうに人と人が関わり合える世界って、なんだかすごくやさしいんじゃないかなと思います。

さいごに

ここまで、HUG for ALLの5つのバリューについて、お話してきました。HUG for ALLで大事にていきたいものが詰まった、大切な大切な言葉のような気がしています。

いま、2024年度の活動スタートに向けて、ボランティアの募集も行っています。新しく活動に参加してくださるみなさんにも、このバリューを見ていただいて、共感するものがあるか•違和感を感じるものがないかをお話するようにしています。

私たちの大切にしたい価値観だからこそ、活動に参加する仲間たちや、活動を応援してくださるみなさまと、しっかり共有していきたい。これからの団体の核として、このバリューを育てていきたいと思います。

気付けば2023年度最後のあややノートとなりました。今年度も1年間ありがとうございました!2024年度も、どうぞよろしくお願いします!

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