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【あややノート】第26回 HUG for ALLのこだわりたい価値観(1)

こんにちは。HUG for ALL代表のあややです。都内にある我が家でも一昨日は夜まで雪が降り続け、昨日はごみを出すにも一苦労。施設職員さんからは「子どもたちは雪遊びを楽しんでいます」と教えていただいたのですが、私は遊ぶどころか家に引きこもってしまいました。寒さ厳しい時期となりましたが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。

さて、実はいま、HUG for ALLでは改めてビジョン・ミッション・バリューの見直しに挑戦しています。

児童養護施設での活動を始めて丸8年、HUG for ALLを団体化してから7年が経ち、私たちの目に映る景色もかなり広がってきたような気がしています。子どもたちとのつながり・施設職員さんとのつながりも深くなり、共に活動する仲間や応援してくださるかたも増えてきました。

「すべての子どもたちに安心できる居場所と生きる力を」というのはみんなの共通の「願い」として変わらないもの。でも、一方で、子どもたちの姿や、施設の状況、私たちがくらす社会も、日々変わり続けています。そんな変化を前提に、団体としてどうありたいか・どこに進んでいきたいか?を、改めて見直したい。そんな思いから、今回の挑戦を始めました。

10月から始めた活動の中で、まず完成したのが「バリュー」。今回と次回の【あややノート】では、新たに生まれたHUG for ALLのバリューについてお話したいと思います。

HUG for ALLの5つのバリュー

HUG for ALLではバリューを「私たちがこだわりたいこと・大切にしたいこと」と考えています。

「バリューは仲間たちみんなの想いや価値観からうまれてくる」という前提のもと、クエストフレンドやスタッフのみんなと共に、対話を重ねてきました。そこから生まれたのがこの5つのバリューです。

HUG for ALLのバリュー

ここ最近、クエストフレンドやスタッフのみんなから自然と出てきていた「それってHUGらしいね」「これはHUGらしくないよね」という言葉。みんなの中になんとなくあった「HUG for ALLらしさ」を、初めて団体のみんなで「共有する言葉」として、言語化できたように感じています。

今日はこの5つのバリューのうち、最初の2つについて、少し語ってみたいと思います。

子ども真ん中、大人も真ん中

私たちは、子ども一人ひとりの幸せを願って活動していく。大人もそれぞれの幸せを願い、自分自身を大切にすることを尊重し、支え合おう。

HUG for ALLで活動するみんなは「子どもたちの幸せ」を願って集う仲間。大人の都合最優先ではなく、子どものことを真ん中に置いて考えていく私たちでありたい。

それは、子どもの主体性を尊重し、子どもの願いや気持ちに寄り添いながら、子どもたちと関わっていきたいということでもあります。

でも、それは「子どものために大人が犠牲になるべきだ/なってもいい」ということではありません。

子どもも大人も対等な「一人の人」として、誰もがお互いに尊重し、尊重される。私がこだわりたいのは、そんな関係性のあり方なのだと思います。

今日、クエストフレンドのみんなとの「作戦会議」でこのバリューを表すような素敵なエピソードを聞きました。ある小1の女の子を担当するチームの話です。

まなびクエストを始めた最初の頃は「子どものやりたいこと」を最優先にしていた。でも、最近は「自分たちのやりたいこと」も主張している。

そうすると「最初は私のやりたいことをやろう。次は〇〇のやりたいことをやろう。」と、お互いに「やりたいこと」ができる時間になってきた。

はじめは子どもと担当クエストフレンドの間の関係性もゼロからのスタート。だからこそ「子どものやりたいこと」を優先して、まずは安心安全な居場所としての心のつながりをつくってきたんだろうなと思います。

その甲斐あって、最初は塩対応だった子が、最近ではお茶目な一面も見せてくれるように。半年以上かけて徐々に関係性を積み上げて、その結果として今はお互いを尊重し合える関係になってきたんだろうなと思いました。

一人ひとりの可能性を信じよう

人はだれもが伸びたい方向にぐんぐん伸びる力をもっている。そのエネルギーを思いっきり発揮できるように、そのまんまを受け止めよう。

私は「人は誰でも、生まれながらにして、自分自身で育つ力を持っている」と信じています。

逆にいうと自ら育つエネルギーを持てない状態にある人は、そのエネルギーを何かに奪われてしまった状態なのだと思います。

それは例えば、いじめや暴力であったり、自分を否定し続ける誰かであったり、管理型の社会であったり。またはちょっとした口喧嘩とかだったりするかもしれません。

そのエネルギーが枯渇しているときというのは、イメージでいうと「氷漬けの種」のようなもの。

たとえ氷漬けになっていたとしても、この種の生命力を信じて、土に植え、やわらかな日差しを注ぐ。無理に電子レンジや熱いお湯で解凍するのではなく、あくまで自然の温もりで、じっくりゆっくり氷を溶かしていく。そうすることで、いつしか氷は溶けて、種から芽が出て、あとはどんどん育っていく。

「氷」が「永」になっていますが…(汗)

この大地のような、温かい春の日差しのような、そんなまなざしが「可能性を信じること」であり、「そのまんまを受け止める」ということなんじゃないかな、と個人的には思っています。

さいごに

仲間たちみんなの声から生まれたHUG for ALLの5つのバリュー。とても「私たちらしい」ものになったのではないかと思っています。

今回は2つのバリューに関わる私の想いをお話しました。よかったらぜひ、思ったこと・感じたことなどを聞かせていただけるとうれしいです。次回は残り3つのバリューについて、お話したいと思います。

2024年度に向けて、そしてさらに未来に向けて。私たちHUG for ALLの「育ち」を、これからも見守っていただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いします。


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