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【あややノート】第12回 HUG for ALLで紡ぎたい価値

こんにちは。HUG for ALL代表のあややです。あっというまに12月が来て、街もクリスマスモードになってきました。これまで3回HUG for ALLの思い出話が続いたこの「あややノート」。今回は、私がHUG for ALLで紡いでいきたい価値の話をしたいなと思います。

子どもたちの力は無限大

私はひとつ、信じていることがあります。それは子どもたちの力は無限大だということ。どんな子どもも可能性の塊で、どんな風に伸びていくこともできます。

もちろんそれぞれに特性はあるし、得意なことも苦手なこともある。また、児童養護施設でくらす子どもたちは心に傷を抱えていることもあります。

でも、それだからといって、彼らの可能性がつぶされるわけではありません。子どもたちの力を、可能性を信じること。それが、まずは私がHUG for ALLでやっていきたいことです。

子どもたちが傷つかないように、子どもたちが失敗しないように、安心安全な道を行かせるのではなく、子どもたちの力を、可能性を信じて、「それを実現するためにどうすればいいか」をいっしょに考えること。

HUG for ALLでは、子どもたちに対して、そんなかかわり方をしていきたいと思います。

未来をいっしょに考える

子どもたちの可能性を信じたうえで、次にやっていきたいのは「未来をいっしょに考える」ということ。もちろんこれからの未来のことなんて誰もわからないし、予測もつかないことだらけです。私たちが高校生だった頃より、未来は予測不可能になっている。そんな前提の中で未来を考えていくのは、ワクワクもあるけど不安や恐れもきっとあると思います。

でもそんなときに「〇〇はそういうことがしたいんだね」「それってとっても〇〇らしくてすてき」「実際にそんなふうになるためには〇〇はこれからどうすればいいんだろう」と、そっと寄り添って、自分の想いを理解して、勇気づけてくれる存在がいたら、どんなにか心強いだろうと思うのです。

大人の価値観を押し付けるのではなく、子どもたちの隣に立って、同じ目線で同じものを見つめながら、どうすればうまくいくのかを一生懸命考える。常にその子の声を、想いを聴いて、”今どう考えているのか”を確認しながら、いっしょに未来に備えていく。そんなふうに子どもたちにていねいに寄り添っていきたいと思います。

現実を受け止めて、次に向かう

子どもたちは、将来を考えるにあたって、実はいくつかの制約があります

まずは前提として施設から通学すること。施設に在籍しながら、全寮制の学校などに入学して、拠点をそちらに移してしまうことはできません。お金の問題もあります。国公立ではなく私学を選択する場合には、相応の理由が求められたりもします。

また、特別支援級にいる子どもたちは、それぞれの特性に合わせて仕事内容にも配慮が必要です。高校ではなく特別支援学校に行った場合は、高卒資格はとれないので、そんな制限もあります。

子どもたちの可能性をどれだけ信じていても、現実に存在する様々な制約を見て見ぬふりをしていては、子どもたちと一緒に未来を描いていくことはできないということを、最近改めて実感しています。

現実の制約をまずは受け止め、その子の可能性や力を信じて、その制約をどう扱っていくかを子どもたちや施設職員の方々と一緒に考えていくこと。それが、私たちの役割なのだと思います。

実際のエピソード

子どもの可能性を信じつつ、現実を受け止めて、一緒に未来に備える。そんなエピソードをひとつご紹介したいと思います。

特別支援学校に通うある高校生。彼はゲームが大好きで、自分自身が快適に過ごせる空間で、一人でゲームをしたいと一人暮らしを楽しみにしています。

実は彼のゲームの腕はかなり高く、以前に将来のことを話したときに「e-スポーツにも興味がある」と話していました。彼なら本気で頑張れば、e-スポーツ選手になることも夢ではないかも。そこで、実際にe-スポーツに取り組んでいる人に、「e-スポーツ選手ってこんな人だよ」という話を聞いてみることにしました。

実際に話を聞いてみると、e-スポーツ選手はかなりストイックに練習を重ねていること、かなり厳しい世界であることがわかり、その子も私たちもかなりびっくり。そして話を聞いた彼は、「e-スポーツ選手としてゲームするより、趣味としてゲームをやる方がいい」と感じたことを教えてくれました。

そんな彼は今、就労に向けて、学校で実習に取り組んでいます。彼自身が選んだ道で、このあとどんなふうに働き、キャリアを重ねていくのか。趣味としてのゲームをどんなふうに楽しんでいくのか。彼の未来がこれからどんなふうに広がっていくのかは未知数ですが、まだまだいろんな可能性があります。

ゲームが得意で、自分の軸がしっかりあって、人との適度な距離感を見失わないけれど、実はすごく心の優しい彼が、心豊かに幸せにくらす未来を、引き続きいっしょに描いていきたいと思います。

最後に

子どもたちの前には無限の未来が広がっています。一方で、その未来には多数の壁や穴もあります。私自身も10代・20代のころ、いろんな壁にぶつかったり、危うい穴に落ちそうになったりしながら、そのたびに周りの友人や大人たちに助けられてきました。

これから子どもたちがどんな壁にぶつかるか、どんな穴に落ちそうになるかは正直わかりません。でも、そんなときにも、そっと手を差し伸べてくれる大人がいれば、きっとなんとかなる。私はそう信じています。

子どもたちを温かく見守り、何かあったときに手助けをする。そんな大人たちのコミュニティをHUG for ALLでは作っていきたいと思います。これからもHUG for ALLの活動を、応援よろしくお願いいたします。

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