【あややノート】第35回「存在価値を理解する」ということ
こんにちは。HUG for ALL代表のあややです。
「あややノート」も今回でもう35回目。読んでくださっているみなさまに心からの感謝を込めて、今回のテーマ「存在価値」について書いていきたいと思います。最近私がハマっているPodcast「Teacher Teacher」さんの24/4/23配信回を聴いて、私が大事にしたいことにすごく近い!と思って、書きたくなったテーマです。よかったらみなさまもぜひ聴いてみてくださいね。
存在価値と機能価値
簡単にいうと、「存在価値」というのは「その人の存在そのものの価値」ということ、「機能価値」というのは「能力やできることなどその人の果たす機能の価値」です。
私たちが日常的にしている「評価」は、その人の「機能価値」の評価かなーと思います。学校でどれだけ良い点が取れたのか、スポーツでどれだけ活躍できたのか、仕事でどれだけ成果を挙げたのか…。何ができて何ができないのかでその人の「価値」を判断したり、それについてフィードバックするのは、普段からよくやっていることで。私自身もしょっちゅうやってるなーと思います。
一方で「存在価値」は、「その人がいるだけで価値がある」ということ。これって実は感じていても、普段は相手に伝えないことが多いような気がします。でも、実はこの「存在価値」って、人生の基盤みたいなものだなぁと思うのです。「存在するだけで価値がある」と、自分のことを思ってくれている人がいる。それってすごく幸せなことで、すごくエネルギーが湧いてくること。そう考えると、本当は日々伝えるべきことは「機能価値」の評価ではなく、「存在価値」そのものなのかもしれません。
私がHUG for ALLの活動を通して実現したい願いも、突き詰めていくと、自分自身の「存在価値」を信じて生きていきたい・生きていってほしいということのような気がします。
私自身のエピソード
私の「存在価値」の土台は、家族や親族、そして幼い頃に仲良くしてくれた年上の友人たちによって培ってもらったのだと思います。何もできない泣き虫な子どもだった私を、温かく優しく見守って、愛情を注いでくれた人たちがいたからこそ、何があっても「自分という存在には価値がある」と感じられているのかな、と。
一方で、学校というコミュニティにおける「存在価値」には、私は長く自信が持てずにいました。直接のきっかけは、小学校2年生のときに、1年生のときに仲が良かった子に突然「もう友達じゃないから!」と言われたこと。クラスが離れたら友達だと思ってもらえないんだ…というのは、子どもながらにショックが大きかったのだと思います。
自分が自分らしいままでは嫌われちゃうんだ。頑張らなきゃいけないんだ。自分の存在価値が脅かされた理由を機能価値に置き換えて、学校という場での「存在価値」を高めるために「機能価値」を必死で高めようとしていたような気がします。
「機能価値」を提供しなくてもいいんだ。そんなふうに思えるようになったのがいつからなのか、はっきりとはわからないのですが、私自身が「存在価値」を感じる友人が増えるごとに、自分の「機能価値」ではなく、「存在価値」を信じられるようになった気がします。
実は今でも、この自分に対する「機能価値至上主義」の考え方のクセはなかなか抜けないのですが、でも今はちゃんと自分に「存在価値」があることを理解しているし、そこに恐れや不安はない状態になったなぁと思います。
「存在価値」を伝えたい
児童養護施設でくらす子どもの多くが、ネグレクトや虐待を受けた経験があります。その結果として、多くの子どもたちが、自らの存在価値を感じられない状態に陥っている。それが、今起きていることのような気がします。
自分の存在価値を感じられなくなるほどに、傷ついてきた子どもたち。彼らが再び自分の存在価値を信じられるようになるには、さまざまな場面で、さまざまな人たちから、存在価値を伝えられることが必要なのだと思います。
存在価値は誰にでもある。その存在価値を信じられるか信じられないかで、人生は大きく変わる。だからこそ「子どもたちが自分の存在価値を理解する」ことができるように、私たちは関わっていきたいと思います。
こんなふうに子どもたちの存在価値を伝えるようなメッセージを毎回伝え続けること。1回ずつ積み上がるものは小さくても、長い時間をかけて変わらず伝え続けていくことで、自分の存在価値を感じる瞬間が積み重なって、いつか心から「自分には存在価値がある」と理解できるようになる。これが、私たちの活動で一番大切にしたいことなのかもしれません。
私たちHUG for ALLは、子どもたち一人ひとりの存在価値をしっかりと伝え、子どもたちが自分に存在価値があると理解できるように、関わり続けていきたいと思います。
これからも応援よろしくお願いします。