【あややノート】第29回「こんな社会であってほしい」という願い
こんにちは。HUG for ALL代表のあややです。2023年度の下期、HUG for ALLのビジョン・ミッションを考えるにあたり、私の願いや理想について、かなりいろいろと考えました。でも、実は言語化しようとすればするほど「ど真ん中」の想いから離れていってしまうようも気がしています。
このつかみどころのなさに、少し困惑してはいるのですが、一言では言い表せなくても、私の願いを表現することに、今回はトライしてみたいと思います。ちょっと長くなってしまうかもですが、是非お付き合いください。
「社会をつくる」なんだろうか?
まず最初に、私自身の社会に対しての願いについて。この願いをどう表現するか?という点について、少し考えてみたいと思います。理想の社会を「~のような社会」と考えたときに、その続きに来る言葉は何だろう?ということです。
「~のような社会をつくる」
「~のような社会になってほしい」
「~のような社会であってほしい」
「~のような社会でありたい」
微妙なニュアンスの違いなのですが、個人的には「~のような社会をつくる」という文には少し違和感があります。「社会をつくる」のではない。でも、かといって「~なってほしい」だとすごく他人任せのような感覚もあって、これもなんだか違う気がします。
実は一番しっくりくるのは「~のような社会であってほしい」という表現でした。
私たち自身が「どうあるか」がまず最初にあり、周りにその「ありかた」が波紋のように伝わっていく。その結果、社会のありかたが変わっていく。そんな感じなのかもしれないなと思います。
どんな社会で「あってほしい」のか
じゃあ、私は一体どんな社会で「あってほしい」と思っているのか。これがなかなか一言では言い表せないので、まずは私の「信じていること」から話してみたいと思います。
まず、1つめは、「他者とのかかわり・つながりは、プラスであれ、マイナスであれ、人に大きく影響を及ぼす」ということです。
私自身が、幼い頃から他者との関係性を強く意識してきたせいもあるかもしれないのですが、人は「一人で生きている」訳ではない以上、まわりとの関係性の影響はすごく大きいんじゃないかと感じています。
例えば虐待やいじめなどは人の心を深く傷つける。でも、逆にその心を癒やすのは、誰かから注がれる愛情だったり、誰かから寄せられる信頼だったり。一人ひとりがどんなにぶれない強さを持っていたとしても、それでもやはり、人とのかかわり・つながりが、それをさらに強くしたり、逆に弱めたりすることはあると思います。
2つめには「人には生まれながらの力がある」ということです。この「力」というのは画一的なものではなく、その人それぞれがもつエネルギーのようなものかもしれません。
その人が生まれ持った力・エネルギーを開花させたい。私の中にはそんな願いが強くあります。
イメージでいうと、日向も日陰もあって、いろんな花が咲いている花畑。お互いに相互作用もしながら、それぞれにあった環境で、自分の持っている力・エネルギーを最大限に発揮している。花だって咲いていても、咲いていなくても、いいのかもしれません。
それぞれが、自分の持って生まれた力・エネルギーを発揮できる。そのために、お互いがプラスにかかわり合い・つながり合っている。そういう社会であってほしい。そんなふうに思います。
もちろん、かかわりやつながりはすべてがプラスになるわけではないと思います。ケンカだって、いざこざだって、たぶんなくなることはない。
でも、一人ひとりの周りにあるかかわり・つながりが、トータルではプラスになっている。その結果として、みんなが自分の力やエネルギーを発揮できているといいなと思うのです。
HUG for ALLが何をしたいか
ここまで書いてきて、改めてHUG for ALLの活動にこめた想いが見えてきたような気がします。
それは、「人それぞれの生まれ持った力・エネルギーが、最大限発揮できる社会であってほしい」ということなのかもしれません。
そのために必要なのは、まずはその人が自分自身の持つ力・エネルギーを信じること。そして、その人それぞれの力・エネルギーを信じ、支える存在(プラスの影響をもたらす存在)をつくること。
児童養護施設でくらす子どもたちは、過去の様々な体験で、その子自身の持つ力やエネルギーを氷漬けにされたり、踏み躙られたりしてきたことも多いのだと思います。
まずは丁寧にその傷を癒やして、まずは、その力やエネルギーを発揮できる状態に整えること。そして、その力やエネルギーを、この社会でどう発揮させたいかを考え、ともにそこに向けて歩んでいくこと。私たちの活動はそれを実現させていくためのひとつの「ありかた」なのだと思います。
願わくば、この「ありかた」が、日本社会の各地で同じように実現される日が来るように。そんなことを願いながら、私たちは施設職員の方々と、社会の信頼できる多くの大人のみなさんと共に、目の前の子どもたち一人ひとりに寄り添っていきたいと思います。
これからもHUG for ALLを応援いただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。
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