「ふられて!」制作裏話 #2
お話
本気でお話を考えよう。自分がふられたときのことを思い出してみよう。何だか辛い気持ちでいっぱいだ。もうこの世の終わりと言ってもいいだろう。そんな感じで世界がスタートするのは忍びない。
ということで、ちょっとそれをクスッと笑う感じにできないだろうかと考えたのが、今回の展開。告白する。ふられる。それを笑う親友。そして慰めてもらう。こんな感じはどうだろう、うん、いいね。
けっこうふられるのであるならばふられ役は男の子かな。女の子がたくさんふられているのはあんまり想像できない。慰め役は大抵親友と決まっているが、親友同士ということは親友も男の子ということになってしまう。ここはいっちょ女の子にして慰めてもらおう。
でもそれだと友情の話だからな。先月の曲「あなたの心がわからない」は実際は春頃に作った曲。先々月の「あなたの背中」は年齢が上の少し落ち着いた恋の話。その前はOLちゃんシリーズの決着をつけた。ちょっとキュンキュンが足りない。
もうちょっとキュンキュンさせるには、女の子は実は男の子のこと好きということにしてしまえばいいのではと考えた。これならばふられる男の子、それを慰めようとしたけれど結局慰められなかった女の子。いい構図ができた。この感じでいこう。
サビのフレーズ
こんなときに山で歩きながらフレーズが出てきた。これはサビで使っちゃおうっかなぁ。同じモチーフが出てくるのはサビっぽいぞ。山で考えているわけではないのだけれど、歩きながらフレーズが出てくるときがある。これを書き留めておいて、あとで使うのだ。
そしてメロディーに合わせてお話を埋めていく。Aメロ、Bメロも埋まりサビもできた。そうしたらお話に合わせて歌詞を考えていく。そうしたら今回どっちがわの気持ちで曲を書けばいいのだ。結局決められなかったので、とりあえず女の子側に立ってミクちゃんで曲を書いていった。
そうしたら、もう彼への愛で溢れています。好き好き言っていますね。これじゃ何だかお話にならない。ということで考えたのが男の子も中に入ってきてもらいました。1番を男の子、2番を女の子目線で書く。一曲に主人公が2人になる。
使い分け
少し困ったことになった。ずっと同じ音でミクちゃんで歌っていると一体今誰が歌っているのかわからなくなった。男の子目線なのか女の子目線なのかわからなくなった。これは困った。
一曲にふたり主人公は「夜空のひまわり」でもやったのだけれど、終わった恋を吹っ切った女の子と自分が女の子を好きなことに気づいた男の子だったので、ミクちゃんの声質を変えてやってみた。これがなかなかよくって、けっこううまくハマった。
今回は口ゲンカするような男の子と女の子の2人だから一方を弱くするとなんだかおかしな感じになってしまう。できれば強い声同士の方がいい。そうするとどっちがどっちを歌っているのかがわかりにくい。それならばオクターブ下に男の子の方を下げてあげればいいかなと思って下げたら、ミクちゃん歌いにくそう。さあ今月も迷宮突入です。う~ん。
つづく