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「あなたの心がわからない」制作裏話 #3

曲調

曲調はどうしようかと悩んでいたけれど、お話が決まらないとなんともなんとも言えない。でもこのシリーズの1番初めは2021年の2月である。もう2年半ぐらいたち、これを逃すと3年ぐらい実を結ばない事になる。これはちょっとかわいそうだ。なんとかしてあげたい。

だから最後きらきらさせてあげられないかなぁ。なんて考えていた。きらきらはやっぱりシンセですね。Logicに入っているレトロシンセもいいけれどこんな時はAlchemy。適当に鳴らしている。きらきらさせたり、ぴょんぴょんさせたり。膨大なプリセットから色々選んで鳴らしていた。

もっときらきらさせてあげたいなぁ。これはどうだろう、あれはどうだろう。などといい音色は選べたのだけれどどんなふうにすればいいのかが決まらない。やっぱりお話を先に決めないと前に進めなさそうだ。

逃げる

やっぱり少し集中して考えよう。そこからしかこの曲は進めない気がする。なぜ男の子は逃げるのだろうか。本当は絶対に彼女のこと好きなのに逃げるのは何故だろうか。何か訳があるはずだ。

う〜ん、考える。じっと考える。妄想力全開だ。そこで少しひらめいたのが、まだ「そのとき」ではない、ということ。本当は今にでも告白して付き合いたいのだけれど、そのときではないので逃げ回っているというのはどうだろうか。

なんかいい雰囲気になったらはぐらかすような、でもいつも近くにいる。彼女に危険が及ぶと、いちばんに登場してなんとかしようとする。とてもイケメンではないか。ただ彼女と仲良くなったりはしないのは「そのとき」ではないからだ。

ではそのときとはどんなときなんだろう。彼女が原因で告白できずに逃げ回っている。そんなだと面白い。(二人には申し訳ない。(^^;))でも何だ?リケジョシリーズだから理系っぽいといいなぁ。

きらきらしたシンセの音をいじっていたので宇宙っぽいといいな。そんなことを考えて考えて考えていました。ふっと出たのが今回のラストの舞台。「流星の下で告白されたい、と願った。」ということだ。

二人がもうちょっと幼かった頃、何やら彼女が計算をしている。その年で流星の観測時刻を計算できるのはすごい。リケジョなのでいつも普通にみている彼。

「何しているの?」と聞くと

「次の流星群が見られる日時を計算している。」とのこと。

「何でまた?」と彼が聞くと

「流星の下で告白されるのが夢なの。」と言っていた。

そのための計算を彼女がしていたんです。そのメモを大事に取っておいて、告白するならそのときだと決意する。その時までには時間がある。そのために彼は色々頑張って彼女に釣り合おうとする。これいいんじゃない?どうだろう?

彼女としゃべったりして仲良くなると告白しちゃいそうになるから逃げている。これだ!これしかない。この計算がのちの告白を彼に決意させたなんて、彼女は気づくはずもない。
「大丈夫だよ。彼あたなのこと大好きだよ。」
神様として彼女に伝えてあげようかと思ったけれど、そしたら彼の努力が水の泡になってしまう。言うわけにはいかないか。(^^;)

つづく


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