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「あなたの背中」制作裏話 #4

続きの話

さて続きの話を考えよう。やっぱり気になるのはこの二人がかつてどうだったのだろうかということだ。私自身も気になる。たぶんみなさんが想像しているところもあるから、あんまり具体的にせずにどうして別れてしまったのかを考えた。

ここで思ったのがお互い若かったということだ。今思えば若い頃は考えや経験が少ない、それゆえにお互いの意見がすれ違うこともある。残念ながら別々の道に歩くこともあるだろう。だから今はいっしょにいない。あっ、これ仕事の話ですよ。恋愛の経験は多くはないので。(^^;)

そして最後やっぱり悩みますね。「起承転結」の結の部分はいつも悩みます。曲を作りながら決める。初めに考えたのは声をかけてお互い懐かしむ。懐かしんでほっこりする。あの時の失敗をとりもどす、というもの。

それにしては曲の雰囲気がちがうので、アレンジを変えないといけないなと思って色々いじっていった。エレピではなくピアノや明るい感じのシンセに変えてみた。それで最後まで歌詞も作った。毎日時間がないのでマウスを握りながら寝てしまうこともあったが、なんとか大まかなアレンジで終わることができた。よかったよかった。

次の日聴いてみるとなんか違う感じがする。何が違うのって言われて、はいこれですとは言えないのだが、なんか納得いかない。あの1日で作り上げた1番だけの「あなたの背中」はビビッときてビシッとはまった感じ。

今回のはなんだか違う。もう一度1番だけのショートバージョンを聴いてみよう。うん、わかったこの曲はこのお話を求めていない。もっと違うちょっと切ない感じがいい。そう直感した。

これは「彼と会わない方がいいな。」とぼそっと口から出ていた。お若い方はなかなか現在進行形なのでわかりにくいが、ある程度の年齢をいくとちょっと苦い経験もあるものだ。それをいまさら掘り起こしてはいけないのだ。

これは声をかけずにふたり別れた方がいい。彼は気づかず彼女だけがみた、幻の世界にした方がいいだろう。ここで話を変えることにしました。アレンジもシンプルだけど元のに戻した。それで曲を通して聴いてみたら、いい感じ。まだまだちょっと手を加えるところもあるけれど、初めのアレンジに戻して会わなかったパターンがいいなって思いました。

夕立

台風が来たりそれ以外でも急な雨になり夕立によく会うようになった。いきなり来る強い雨は慌てて傘を差しても間に合わないときがある。いつも大きな長い傘を持っているわけではないので折り畳み傘だ。

少し出して差すまでに時間がかかる。少し濡れてしまうが仕方ない。強い雨の下、信号待ちをしていたところ、あたりが明るくなってゴロゴロと大きな音がした。近くに落ちたのだろう。びっくりした。でもこのびっくりでピンと来ましたよ。曲の最後別々な方向に二人を進ませたいと思っていました。

そのとき雷と急な雨を降らせたらいいのではないかと思いついちゃったんですよね。彼は傘を持っていないので雨を避けようと走り出す。彼女は傘を持っているのでそこから動かない、しかも進む方向が違う。こんなストーリーが浮かんできた。

これを最後のシーンに入れたいと思った。家に帰り雷の音の代わりになるものを探す。Logicを見ると「ブーン」とか「ドーン」とかの音はたくさん入っている。しかしちょっと雷とイメージが違う。う~ん、あの時聞いた大きな雷の音が、イメージにぴったりなんだけれどなぁ。なんとなく雷の音を録ろうとiPhoneを空に向けたりもしたが、いまいちいいのが録れない上にノイズだらけだった。

フリーで効果音を探してみたが、なんだか雷系の武器みたいな音で本当の雷ではなかった。最悪、「ブーン」とか「ドーン」とかを組み合わせて曲のアクセントにすることでなんとかしようとしていた。こんなことやっているともうすぐ時間が過ぎてしまう。またマウス握りながら寝てんじゃん。(^^;)

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