労働意欲の高い人は、70歳までiDeCo (個人型確定拠出年金)の拠出を続けたほうがいい?
近年、iDeCo(個人型確定拠出年金)のメリットについて、新聞やマネー誌等のメディアで採り上げられる機会が増えています。NISA(少額投資非課税制度)と比較されることも多いiDeCoですが、具体的にはどういったタイミングで、iDeCoの受給を開始すべきなのでしょうか?
現状、iDeCoに掛け金を出せる期間を(2024年時点の)65歳未満から70歳未満に延長する方向で、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の企業年金・個人年金部会で議論が行われています(2025年以降に実施見込)。
これは「年を取っても長く働きたい」という人にとってはありがたいニュースです。特に、60歳以降も高い給与水準を維持できる人であれば、そのまま働き続けてiDeCoへの拠出も続け、所得控除のメリットを最大限享受した方が良いでしょう。
一方、60歳以降も働き続けるけれど、さほど高い収入が見込めない方についてはどうでしょうか?もちろん、毎月の生活費の中で拠出できる余裕があれば続けた方がいいかもしれませんが、個人的にはiDeCoに関してはいったん60歳で整理した方が良いのでは…と考えています。
仮に70歳までiDeCoへの拠出を続け、75歳から受給を開始したとしても、その時点で健康寿命はほぼ残っていません。75歳までに亡くなる可能性もそれなりにありますし、それであれば60代の生活を豊かにするためにiDeCoの資産を使った方が有益だと思うのです。
もちろん、「介護施設に入るための資金を貯めておきたい」「大病に備えたお金を取っておきたい」という気持ちも大切ですが、その分はNISAの枠で準備しておけば十分ではないでしょうか。それこそ60歳でiDeCoの一時金を受け取って、NISAの枠に移してもいいかもしれません。
年齢を重ねれば重ねるほど、口座を管理する能力も落ちていきます。老後はなるべくシンプルに過ごしたいものです。
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