地球から木が無くなったらどうなるの???
地球から樹木がなくなると、どうなるのでしょうか。環境問題が話題となるなか、木が環境に与える影響について知りたいと思います。
4つの観点からお伝えします
地球から木(木本)がなくなると、光合成生物としては陸地には草(草本)だけが、海、川、湖には藻や植物プランクトンだけが生きていることになります。それがどのような世界になるか、考えてみましょう。
1.地球では、陸地の草と木、それに海水、淡水中の藻、植物プランクトンが光合成をしていますが、地球全体の光合成の40%以上が木によっておこなわれています。
そこで、もしも木がなくなると、地球の光合成量が半分近くに減り、吸収される二酸化炭素の量が少なくなるため、大気中の二酸化炭素の濃度が高くなってしまいます。大気中の二酸化炭素が増えると、熱が地球から逃げにくくなるため、「地球温暖化」により気温が高くなります。これによって極地の氷が溶ける一方、海水が膨張して海面が高くなったり、気候が変化したりして、環境が大きく悪い方向へと変わるでしょう。
2.木が生えている森林では、多くの草本植物、動物、昆虫、菌類などの微生物が、木と助け合って生活しています。そこで、もしも木がなくなると、森に棲む多くの動物や昆虫は絶滅するでしょう。
また、亜熱帯や熱帯の海辺にたくさん生えているマングローブ林がなくなると、そのまわりに生息している魚やエビなどの水生生物も棲み家を失うでしょう。そして、木陰のような光の弱いところでしか生息できないシダ、コケなどの植物は枯れてしまいます。代わりに、草(草本)の中でも特に強い光に耐えられるイネ科などの草が生い茂る草原だけになってしまうでしょう。
3.山に豊かな森林があると、雨水が森林の土壌に長い間保たれて、ヒトはこれを有効に使うことができます。また、山の土に含まれている植物の生育に必要な養分も、雨水によって流されにくく、落ち葉などは腐葉土のもとになって植物の生育を助けています。
そこで、もしも木がなくなると、山に降った雨がすぐに流れてしまうため、下流で洪水が起こりやすくなります。また、このとき、土や養分も一緒に流されてしまうため、山には草も生えなくなります。森林地帯を流れる河川は、海のプランクトンの繁殖を支える栄養分を含んでいます。木がなくなるとその栄養分も少なくなって、海のプランクトンが減少し、その結果、魚類なども少なくなるでしょう。実際に、このようなことは、森林を伐採したときにしばしば見られています。
4,身のまわりには、家屋、家具、鉛筆、木炭など、木を材料にしてつくったものが非常にたくさんあります。紙もすべて木材を原料にしたパルプからつくられています。そこで、もしも木がなくなると、これらすべてがなくなり、プラスチックやコンクリートなどで代用しなければならなくなるでしょう。
紙がなくなったら、新聞や本などは何に印刷したらいいのでしょうか。バイオリン、ピアノ、琴などの美しい音も聴けなくなるでしょう。果樹がなくなったら、カキ、リンゴ、ナシなどの果物は食べられなくなってしまいます。木がなくなった地球の環境を、ほんの一部、考えただけでも、木がヒトの生活にどれだけ貢献しているかわかることでしょう。
木と人類の共存の為、ひいては地球と人類の共存の為、我々はある事を日々肝に銘じておくべきです。それは《自然の上に人がいる》。我々は自然があるおかげで今の生活がある、だからこそ自然を人の我儘で潰すわけにはいきません。
リサイクルや食品ロスの削減などといった簡単に出来ることから自然とこれからも歩み続ける未来を護っていきませんか?
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