たとえ小さなことでも、積み重なれば「生きづらさ」になる。だから、いつでも少しの優しさと気遣いを“はふぽのコラム”
こんにちは。ハフポスト日本版の榊原すずみです。
今週も、はふぽのコラムのお時間です。
突然ですが、みなさん「生きづらさ」という言葉、いつごろからよく耳にするようになったか記憶にありますか。
今は、ハフポストに寄稿してくださる方の原稿を読んでいたり、誰かにインタビューしたり、日々の仕事をしていると1日に1度は聞くと言っても大袈裟じゃないように感じています。
振り返ってみると、私が子どもの頃はもちろん、編集者の仕事をはじめた今から20年前には、そんなに一般的な言葉ではなかったような気がするのです。
私は家族とうまくいっていなかったし、学校でいじめにあって登校拒否をしていた経験もあるし、就職は氷河期ど真ん中、非正規の経歴が長く、いってみれば「生きづらさ」の原因になるようなものをたくさん抱えてきました。でもそれを、「生きづらさ」と自ら表現したことはありません。
おそらく、ここ2、3年、いえ5、6年で、「生きづらさ」という言葉の普及が進んでいったのでは? と推測します。
それは言い換えてみれば、みんな自分の抱えている大変さをオープンしやすくなり、理解し合ったり、助け合ったりしようという気持ちが生まれたということですから、いいことに違いありません。
とはいえ「生きづらさ」といっても、人によって千差万別。
さまざまな「生きづらさ」を抱えています。
もしかしたら、自分にとっては大したことがないことでも、誰かにとってはそれが生きづらさにつながっている可能性だってあるわけです。
だからいつでも、心の中に少しの想像力と優しさ、気遣いを持っていたいですよね。
今回はなんと、いつもより1本多くコラムを紹介する、スペシャルバージョンでお送りします!
おすすめ①
「夫の嫌なところは、全部ADHDのせいだった」人気YouTuber ナカモトフウフの発達障害との付き合いかた
ADHDなどの発達障害は「生きづらさ」として語られることが多いものの一つだと思います。
夫・ダイスケさんのADHD(注意欠如・多動症。発達障害の一種)を、妻・ちゃんまりさんの視点で紹介する動画が人気のYouTuber ナカモトフウフ。
発達障害といってもその特性の表れ方は一つではなく、人によって、環境などによって変わるので、「これが正解」というものはありません。
だからこそ、当事者の辛さは大きく、周囲も理解できずに苦しみ、ある意味、当事者もそのまわりにいる親しい人たちも、双方、「生きづらさ」を抱えてしまう可能性を孕んでいます。
ナカモトフウフも例外ではありません。
自分たちなりのカタチに行き着くにはいろいろな出来事があったそうです。
それでも今のふたりがあるのは、きっと互いに理解し合おうという、互いを想い合う気持ちがあったからではないでしょうか?
おすすめ② 生理を日本とイギリスで比較してみたら…
“エコな生理”はじめました。月経カップと月経パンツを使ってみたら…どうなった?
イギリスの大学で月経カップを無料配布。留学中の大学生が初めて使ってメリットとデメリットを考えた
女性特有の「生きづらさ」の一つに生理があげられると思います。
私が学生の頃は、生理用ナプキンを人の目に触れないようにどうしたらいいか、お手洗いに行くたびにドキドキしたり、プールの授業を休むと「生理です」と暗に宣言しているようで恥ずかしい気持ちになったものでした。
そうそう、私は社会人になりたてのとき、男性の上司に「生理痛がひどいので会社を休ませてください」と言えず、無理して出社しようとして、電車の中で倒れた経験もあります。
そんな生理にまつわる「生きづらさ」も近年、だいぶオープンになってきました。
でも、ちょっとした気遣いの違いでこうも変わるのかということが分かる、月経カップの記事が2本届いたので、ご紹介したいと思います。
筆者のでみさんと、あんなさんは共に大学生。
同じように生理用品に使われているプラスティックゴミが与える環境問題に興味を持ち、よりエコな「月経カップ(でみさんは月経パンツも)」に初挑戦。その体験記を寄稿してくれました。
違うのは、でみさんは日本在住で日本の大学に通っているけれど、あんなさんは現在、イギリスに留学中だということ。
あんなさんの記事を読むとわかりますが、あんなさんが通っているイギリスの大学は独自の取り組みとして、月経カップ以外にも生理用品を無料で学生に配布をしているのだそうです。
だから思い切って挑戦できたと、あんなさんは綴っています。
女性は約40年、生理と付き合っていかなくてはいけません。毎月やってくる生理のために必要な生理用品を日本の女性たちは、約40年買い続けなくてはならないのです。
女性にとっては必需品にもかかわらず、消費税があがるとき生理用品は軽減税率の対象にはなりませんでした。
そんな日本と、あんなさんが通うイギリスの大学、違うものはなに?
国の違いの問題ではなく、足りないのはきっと……。
おすすめ③
ご飯の最中に「◯◯が食べたいなあ」と言われキレてしまった。どうすればよかったの?:家事の“ごはん作り”担当のお悩み相談
いいですよ、これはキレて。
大いにキレましょう。
私なら、その場でテーブルから全部ご飯を取り上げて「食べなくて結構です」と冷蔵庫に入れてしまいます。
料理は面倒です。大変です。
特に働きながら、子育てしながら、料理をしている方は本当に大変だと思います。
しかも、毎日の出来事です。しかも1日に3回もしなければなりません。
家族にとっては、何気なく言った言葉でも、作った人の心には薄い膜のように積もっていきます。
私は、それも一種の生きづらさだと思います。
毎日毎日、1日3回、積もったものは、どんどんその大きさを増していきます。
生きづらさが積もり積もったら、料理を作っている人がどうなるでしょうか?
キレるならまだ前向きですが、「私の料理って…」と落ち込んで、毎日、台所に立つのが憂鬱になってしまうかもしれません。心の大きな負担になってしまうかもしれません。
ね、ここでも何が必要なのか、分かりますよね。