2019年ホームラン王が移籍! ~ソトが千葉ロッテマリーンズと契約合意~
今季はシーズン終盤に失速するも、粘り強さを見せ2位を死守した千葉ロッテマリーンズ。来季悲願のリーグ優勝に向けて、遂に補強の動きがあった。ネフタリ・ソト(前DeNA)の獲得である。本記事ではソトを獲得する背景を考察しこれまでの成績について振り返っていく。
-今季の野手編成について
今季も日本人本塁打トップは山口航輝の14本であり、日本人打者の20本塁打は2019年の井上晴哉(24本)以降、1人も出ていない。これは12球団で最も遡ることとなる。今季の打線はポランコが26本塁打を放つも、その他の選手に長打を期待できない状況であり、外国人打者に長打力を依存する打線は例年通りであった。
また確実性の面でも.242のポランコがチーム内首位打者、規定打席到達者下位5選手のうち4選手がマリーンズの選手と、レギュラーを掴んだとは言えない選手達を、我慢強く起用し続けている印象である。そんな中、今季主砲としてチームを引っ張ったポランコの契約交渉が難航中。万が一ポランコが退団となると、計算できるスラッガーは不在となり、山口航輝、安田尚憲ら若手の成長や井上晴哉、中村奨吾らベテランの復活に期待する「たられば」次第の打線となってしまう。そこで、長打が計算できるNPB経験の豊富な選手としてN.ソトに白羽の矢を立てた。
-成績
来日1年目はシーズン途中に一軍に合流するも2018年に41本塁打を放ち本塁打王を獲得。打率.310を記録しチームの主軸として活躍。外野や二塁などポジションも流動的にチームに貢献した。来日2年目はやや打率を落とすも、43本塁打を放ち2年連続本塁打王を獲得。打順も2,3,5番と流動的ながら、勝負強い打撃を見せ打点王を獲得。1塁手に専念した2021年は入国トラブルで出遅れるも21本塁打。打率.234とやや寂しい数字も昨季は打率.266と復調。怪我で離脱もありながら17本塁打、OPS.815を残す。今季は、3月のWBCではプエルトリコ代表で一塁手を任された。シーズンでは打撃の状態が上向かず、二軍落ちも経験した。関根大気の台頭もあり出場機会は減少。結果、来日後自己ワーストの14本塁打に終わった。ドラフトでは内外野マルチに守れる度会隆輝を獲得し、世代交代を図るチームにとって34歳となるソトは苦しい立場となり自由契約となった。
-起用法
ソトは2021年以降1塁手として守備率は.995以上を記録。守備面に不安はないため、1塁手のレギュラーとして期待がかかる。今季スタメンで1塁を守ったのは山口航輝、安田尚憲、井上晴哉、茶谷健太、佐藤都志也の5人。開幕スタメンを任された井上晴哉は打撃不振に陥り、1軍で1本塁打に終わった。当初外野起用であった山口航輝が1塁を守ることが多かったが、打率.235、474打席で14本塁打と本塁打率は今季のソトの方が高い。
来季は、中村奨吾の3塁コンバートによって安田尚憲が1塁を任されることも考えられるが、今季の打率.238、OPS.678では1塁手として寂しい数字。また、中村奨吾も今季打率は規定ワーストであり、1,3塁のレギュラー争いを活性化させるという点でもソトの獲得は非常に大きいものである。
-まとめ
今季、ポランコが本塁打王を獲得したことで、リーグの違いに関する不安要素が払拭されたのは間違いない。ポランコの去就次第で打線の迫力は変わってくるが、計算できる助っ人を獲得できたのは非常に大きく、伸び悩む若手に対して競争意識を芽生えさせるにはうってつけの人材である。ソトがZOZOマリンでアーチを量産する姿に期待したい。