ボランティア
『成長』
「みんな幸せそうだな。」
念願だった海外での生活が始まった。途上国で困っている人のために豊さを与えるために活動するんだ、そう思っていた。でもそこには不幸な人もいなければ豊かでない人もいなかった。
先進国の日本に生まれたからには与える側で無償で活動して途上国を発展させる、思い上がりをしていたことに気づいた。もちろん活動は自分のできることを精一杯やったし、満足もしてもらえたと思っている。後悔はないし自分自身満足している。
安い賃金を求めて途上国に工場を持つ会社をなんとなく毛嫌いしていた。奴隷を求めているように感じた。しかし現地で求められていることは、働き場所で働いて得られる賃金だった。
わかっていなかったのは自分だった。無償で活動することが偉く、素晴らしいものではない。そんなものは自己満足でしかなく、奉仕活動ではなかった。
相手の求めていることを把握して行うことの重要さを学んだ。ボランティアは私の関わった人のためになったかはわからない、ただ私を成長させてくれた。