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外出が嫌いなのに出かけたがったマメルリハ②

外出も留守番も大嫌いな我が家のマメルリハ・シャルが、出かけたいそぶりをしていた話を前回紹介した。

そして狭い外出用鳥籠に入るのも元々大嫌いなのに、シャルがそれほど抵抗なくそこに入ってしまい、散歩を期待して喜んでいるので、人間たちは出かける支度をする羽目になったのだった。

早く早く!

外出用鳥籠の中で私と母の外出準備を待っているシャルは、次第にピーピー鳴いて催促をし始めた。ちゃんと連れて行くから待ってなさいってば💢

あまりにうるさいので、外出用鳥籠を入れるバックを出して先にシャルin外出用鳥籠をそれにいれたらシャルは黙った。そしてまた脇を上げてキュピピ💕

そこに入ってシャルがそんなに喜んだことはない。バッグも出てきたので確実にお出かけになると理解したのだろう。それにしても本当にシャルは外に行きたがっているのだ。あのシャルが!人間たちは観念して蒸し暑い中、シャルを連れて出発した。

暑さもへっちゃら

外に出ると外出用鳥籠の上にへばりつくようにしてシャルは上を見上げていた。後で帰りに分かるが、シャルはとにかく背の高い「木」を見たいからだ。真上を見れば、歩道や緑道にかかる梢が見える。

移動中シャルはずっとひっくり返った体勢だったが、無言の抗議の時とは様子が違い、真剣なまなざしで木々を見ていた。

前回も来た東屋に着くと、蒸し暑いので人間たちはすぐに水分を取った。シャルも羽毛に覆われているので、さぞ暑かろうと思って母が水を与えようとしたが、シャルはいらないと言う(水の入ったスポイトの先端をくちばしで拒絶)。

そういえば、マメルリハはエクアドル辺りの鳥だったから暑さは大丈夫・・・いや、でもお前日本生まれ日本育ちじゃん!

野生の血が騒ぐ?

先日ほどシャルが東屋からの風景を楽しんでいる様子ではなかったので、外出用鳥籠のバッグから鳥籠を出した状態のまま、木々の梢が見える緑道を歩いた。行きとは別のルートである。

その途中に私の目の高さ程度の木の枝があり、その近くに鳥籠を上げてやるとシャルはひっくり返るのをやめて外出用鳥籠の中に立ってその枝を眺めていた。何だかうずうずしている様子だ。もしや木の枝にとまりに出たくなった?

この様子からシャルが一番興味を持っているのは「木」そのものだと分かった。シャルに「出たら死ぬよ。近くにカラスもいるよ。」と言ってその場を離れた。今生でシャルは野生にはなれない。

その後もシャルはまた外出用鳥籠の中でひっくり返った体勢で木の梢を眺め続けていた。帰宅すると普段過ごしている出窓でいつものシャルになった。お出かけの希望が達せられて満足したようだ。

それにしても鳥嫌いの私が鳥の散歩だなんて、自分で文字打っていて意味が分からない。少なくとも暑いからもう秋まで絶対行かないからね、シャル。


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稲生瀬鴉(いのうせあ)
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