中国版「陰陽師」の監督にパクリ疑惑、映画関係者から非難の声
中国の若手監督グオ・ジンミン(郭敬明)が、夢枕獏の小説「陰陽師」を実写化した映画「晴雅集」。マーク・チャオ(趙又廷)とダン・ルン(鄧倫)が主役を演じることで公開前から期待が集まる中、監督らによるかつての盗作疑惑が再燃し、さまざまな憶測と「グオ監督の排除を」の声が飛び交っている。
この事態が起きるきっかけとなったのは、12月22日、脚本家、監督、プロデューサーなど111人が連名で公開した「パクリ屋をお手本にしてはいけない」という声明。その内容は次のようなものだった。
「ユー・ジョン(于正)とグオ・ジンミンは、ネットやテレビ番組に頻繁に登場し、話題を作ることによって影響力、視聴率を獲得している。このような行為は視聴者にとって迷惑であり、業界関係者も怒りを覚えている。盗作者を公共の場に招くと悪い手本になるので、追放して業界にクリーンな環境をもたらしたい」
実際のところ、2014年にユー・ジョンがプロデュースした宮廷ドラマ「宮鎖連城」(原題)は、台湾の人気作家チョン・ヤオ(瓊瑤)の作品「梅花烙」を真似たとされ、チョン・ヤオは2000万元(約3億3000万円)の損害賠償を求めて提訴した。ユー・ジョンはこの件について謝罪することもなく、その後も数々のヒットドラマを手掛けたり、本を出版したりと活動の幅を広げているが、業界内での評判は振るわない。
一方、若手作家・監督として注目を浴びるグオ・ジンミンも、荘羽の小説「圈里圈外」を盗用したとされ、北京の裁判所から20万元(約350万円)の賠償命令が下ったこともある。この件は「2006年の十大著作権侵害事例」に選ばれるほど、社会に大きな影響を与えた。
「晴雅集」の上映前で、関係者がみなPR活動に精を出すなか、業界から総スカンを食らったグオ・ジンミン。「私を嫌ってもダン・ルンを嫌わないでください」とコメントしているが、映画の興行収入にどれほどの影響を及ぼすのか注目される。
トップ写真:業界から総スカンを食らったグオ・ジンミン。「私を嫌ってもダン・ルンを嫌わないでください」とコメント。
「瓔珞<エイラク>~紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃~」のプロデューサー、ユー・ジョン
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