「狙撃手」がクランクイン! チャン・イーモウ監督、娘とタッグを組んで初の戦争映画に挑む
1月6日、チャン・イーモウ(張芸謀)監督とその長女のチャン・モー(張末)が共同で製作する、朝鮮戦争を題材にした映画「狙撃手」(原題)の撮影が始まった。この作品は、チャン・イーモウが初めて挑戦する大規模な戦争映画で、朝鮮戦争で活躍したスナイパーを主人公にした中国映画史上初の作品でもある。また、チャン親子による共同監督もこれまでになかったことだ。映画は2021年に上映される見込みだが、出演者や撮影スケジュールなどはまだ明らかにされていない。
チャン・モーは1983年、陝西省西安市生まれ。アメリカに留学してコロンビア大学建築学部を卒業し、さらにニューヨーク大学で映画製作を学んだ。父親の下で数年間スタッフや助監督を務め、2016年にファンタジーラブコメ「28歳未成年」で映画監督デビュー。この作品は「第10回中国銀幕風雲榜」で新人監督賞を受賞している。
中国国家電影局に提出された資料によると、映画「狙撃手」は、中国人民志願軍(朝鮮戦争に参戦した中国部隊)のスナイパー、張大弓を主人公とする物語。彼は命を狙われながらも、危険を顧みずに敵軍を狙撃し、窮地を脱するというストーリーだ。
張大弓のモデルは、実在した人物の張桃芳。彼は朝鮮半島での32日間に及ぶ戦闘で、436発の銃弾を発射し敵軍214名を射殺した人物で、「伝説のスナイパー」、「志願軍の名スナイパー」、「狙撃英雄」などと呼ばれた。
チャン親子が率いるチームには、脚本家のチェン・ユー(陳宇)、撮影担当のチャオ・シャオディン(趙小丁)、美術担当のリン・ムー(林木)、造形担当チェン・ミンジェン(陳敏正)、アクション担当フー・シャオジエ(傅小傑)などの信頼できる仕事仲間が集まっており、映画の仕上がりに期待が寄せられている。
すでに公開されている「一秒鐘」に加え、公開を待つクライムサスペンス映画「堅如磐石」と、抗日戦争を描いた「懸崖之上」。そして今回クランクインした「狙撃手」(すべて原題)。次々と話題作を製作し続けるチャン・イーモウ。長女とタッグを組んで製作する今回の映画がどのようなものになるのか、注目していきたい。