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私がイラストレーターと名乗らない理由について。
なんだかずるい話ですから、読まないほうがいい気がしたら、逃げてくださいね。
私は絵を描きます。インスタグラムに投稿もします。有り難いことに、私には信じられないほどたくさんの方が見てくださっています。たまにご依頼をいただき、お応えすることもあります。
でも、自分から「イラストレーターです」と言ったことはありません。言う予定もしばらくありません。言ってしまったら今の状況が変わってしまう、と、何かおそれのようなものを感じてしかたがないのです。今を守りたいと思ってしまっているのです。
イラストレーターと言っていただくことには、それほど不快感のようなものはありません。「そういうふうに、見てもらえているんだ」と、むしろうれしく思えます。
でも、自分から名乗るとなると、責任が何倍にもなる気がする。「イラストレーターならこれくらい描けるでしょ」「イラストレーターならできるでしょ」と思われるのはこわいのです。いや、こわいなんてかわいく言うのもずるいですね。ただただ、困るのです。傷つきたくないのです。描けないもののほうが、きっと、多いのです。パースなんて、アタリなんて、デッサンなんて。
ご依頼相談をいただいたときは、予防線を張っています。「素人です」と言います。ずるいでしょう。
SNSのプロフィールには、「絵を描くのが好き」と書いています。それがすべてで、間違いのないただひとつのことだからです。
こんな文章を発信してしまったら、「じゃあもうあなたの絵は見ません」と言われるのではないか。「発信している限り、責任持て」と思われるのではないか。緊張します。何のために絵を発信しているの?
でも、それには、理由がいるのでしょうか。理由や目的がないと発信してはいけないのでしょうか。そんなことはないと、私は思っているし、同じ気持ちの人もきっといる。「この絵を発信してみたら、どんなことが起こるんだろう?」、知らない世界が見えるのではないかと、足を踏み入れたかった。
意味や目的がないからこそ、ここまで来れたのだと思っています。
きっと、応援してくださっている方の中には、私のこういうところに気がついている方もいらっしゃると感じています。それでもお付き合いいただいていることを、ほんとうに有り難いことと思っています。
あまりかっこよく締まった文章にはならなかった気がしますが、これが今のところの私の思いです。
もうひとつ、「天地がひっくり返るようなことが起こらない限り、絵を本業にすることはない」ということについては、また今度。