マイナンバーカードⅡ
新型コロナによるショックに、給付金さえ届かない。それぞれ国民が一様に心を閉ざしているかに見える。
聞いてみると、マイナンバーカードの普及率は20%を下回るという事だ。
私は几帳面なせいかかつての住基カードも、この度問題となっているマイナンバーカードも自治体から送ってくれば即座に登録している。むろん確定申告の際必要になるという事も言えるが、日本の国の中でこれほど行き渡っていないと聞いて驚いている。
私の不満は所得税等の不公平を言いたい。マイナンバーを提出していれば収入を隠すことなどできないが、登録していないとうまく所得隠しができてしまうではないかという事がまず一番の原因だ。
例えば親戚の会社にバイトした学生は、大手の会社でアルバイトした学生と所得税に違いがあってはならない。
国税庁のHPを利用して申告していると答えた人も、自分の財産がしられてしまうなどという事を言い訳にマイナンバーカードを登録していない人が居る。疑問をかんじないまま面倒くさいという事を原因として登録を先伸ばししているのか、する気もない人もいる。もはや何年も前に導入されているはずなのに、なぜこれほどに行き渡っていないのか。総務省の責任も否めない。
私の場合で言えば、5月の最終週には給付金は入金していた。むろんマイナンバーカードでネット使用の結果だ。政府の言葉通りに直後に国民に入金ができていたら、国民の消費意欲はもっとましたかもしれない。この差は小さくないと思う。
日本という国は不思議な国だ。戦後の飛躍は誰もが認めるところなのに、最近の停滞はどうしたものだろう。戦後に体をはっていたころは、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国を維持していたのに、ITの世界になったとたん世界の流れに乗ってゆけなくなっている。中国をはじめ台湾や韓国が世界にIT大国として目覚ましい活躍をしているのをしり目に、なぜ日本は置いてきぼりを食っているのだろうか。
憲法を見ても日本は特殊だ。いい憲法だ、確かにそう思う。しかし国民は平話ボケをしているのではないだろうかと思うほど、世界の動きにも鈍感で日本国として内向き過ぎないだろうか。
それでいいならいい。北朝鮮からミサイルが飛んできても、中国が日米関係にひずみを入れようとしていようと、アメリカが何とかしてくれるだろうと言いつつ、安保には絶対に反対といい、憲法は70年以上後生大事に守っている。きっと大丈夫だろうと安穏としていられるのならそれでいい。
とにかく日本人にはハングリー精神が足りないと思うのだ。そして一度到達した功績を、後生大事に抱きつつ、中国や北朝鮮やら韓国がしのぎを削っている非情な世界からは目をそむけながら、彼らの後ろについてゆくのだろうか。
スティーブ・ジョブスは「愚かであれ、ハングリーであれ」といった。今の日本人に一番必要な言葉のような気がする。