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不満の伝え方は正攻法だけじゃダメかも。 夫婦で考えてみた結論

先日、友人が離婚した。
何が驚きかって、この友人はパートナーから絶大な信頼を得ていた人なのだ。もちろん今までずっと夫婦仲がうまくいっているようにしか見えなかった。

彼女は精神的に非常に安定しており、気が長いのでいつも冷静に話のできる人だ。初めての育児がワンオペでも自信や理性を失わず、子ども二人を育てながらも夫への見送りや行ってきますのキスを欠かさない程ラブラブだった。

ところであなたは、「不満の伝え方」という文字を目にしたとき何を考えただろうか。

一般的には「極力感情的にならず、冷静に話し合う」のが良いやり方だとされているように思う。これを正攻法と言っていいだろう。

もちろん、正攻法が間違いと言っているわけではない。しかし、もしかしたらそれはベストではないかもしれない。

そして今回この友人の話を詳しく聴いて、夫が面白いことを言い出した。

「彼女はブーたれ力(りょく)が足りなかったのかも」

夫によると私が不満を伝えてくるときは、
お願い・相談・検討・ブーたれ があるらしい。

お願いは「ここに荷物あると私邪魔だからどかしてくれない?」みたいなやつ。何も考えずどかせばOKとなる。

相談はこれが「これどこに置いたらいいかな」になる。少し頭を使う。

検討、これは「この荷物の置き場所、一緒に考えてくれる?」ということ。ちょっと本腰入れて良い場所を見つけようというモードになる。

最後のブーたれは「私ほんとに嫌なんだよ、こんな風に荷物を放置されるのが」こんな感じ。

もちろん、お願い・相談・検討であっても「ないがしろにされてるみたいで悲しいな」などと言うときもある。

しかしあくまで冷静に話すことになる。この場合「どう工夫したら解決するだろうか」とか「何に気をつけていけばいいだろうか」、こうしたレベルの思考になると思われる。

これがブーたれになると、価値観レベルのところを変える必要があるのかな、と受け止め方が変わるらしい。

そしてその夫の話を受けて、私も心当たりがあった。

いつもは辛抱強く冷静に話す夫が「さすがにこれは耐えきれないよ!」といった態度を見せるとき、これは私もこのままでは一緒に楽しく暮らしてゆけないかもしれないな、と思うのだ。危機感が明確に違う。

冒頭の友人はいつも冷静に話すことができすぎるあまり、パートナーの中に十分な危機感の醸成ができていなかったのではないだろうか。

そして二人の危機感のギャップが日に日に開いてゆき、ある日彼女に離婚を決意させる出来事が起こったと推察される。

正攻法で話すこと、ブーたれること、どちらがベストということはなく、実はどちらも必要なものではないだろうか。

正攻法はいくらでも提唱している人がいるので、これからは「ブーたれ力」も大事だよ、と言っていきたい。

ほら、冷静に話せずつい感情的になってしまったと嘆いているそこのあなた。
それは立派なブーたれ力ですよ。

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高井ユウコ(産業カウンセラー)
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