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teenage engineering TP-7のレビュー(1.1.3対応)
teenage engineering TP-7を購入しました。
これはなんなのかみたいなものは公式サイトに掲載されていると思うので、それ以外のわかりにくかった部分や触ってわかったものを列挙しますので、ご参考になさってください。
#2024年9月追記
1.1.3ファームウェアアップデートに伴い機能強化が行われたのでそれを反映した内容に追記・修正しました。
初期ファームではレコーダーとしての基本的な機能が備わっている、という感じの印象でしたが、1.1.3からは
・曲や演奏のレコーディング、編集に必要な機能強化
・DJやパフォーマンスに使用できる機能強化
が行われ、実用性と柔軟性が高まっています。
ハードウェア
プラッター、スムーズでガタつきなし。モーターの強さもほどよい
ロッカーもほぼ遊びがなく、繊細なコントロールも可能でクオリティ高い
録音再生停止ボタンも程よい押し心地
電源ノブがスムーズではない。入切が少し固く、ボリューム調整も擦れる感覚がある
メモボタンなどサイドに配置されたボタンに少し遊びがあり、気持ちふわふわした押し心地になっているのが少し気になる
ディスプレイは小さいが輝度が高く、視認性に優れている。TX-6よりDPIが高く、明るいものが使用されている
レベルメーターも反応良く見やすい。
オーディオ入出力
上部アナログ入出力は、入力or出力or4極ヘッドセット切り替える
上部アナログ出力は録音したものの再生時のみ有効。(アーム中や録音中には何も出力されない。。)アーム中やオーディオスルー時にも音声が出力されるUSBオーディオホスト対応。OG OP-1やOP-ZもUSB経由での音声入力ができる。
PC等にUSB接続すると、6in6outオーディオインターフェースとして認識される
USB接続時、オーディオスルーを設定するとアーム中以外も音声入出力を扱える。これによりシンプルなオーディオインターフェースとしても使用できる
おまけ)オーディオスルー機能によって複雑なルーティングも可能になった
ついにTP-7単体でTRAKTORのDVSを使えるようになった。#teenageengineering #tp7 pic.twitter.com/TTlhoaSG6P
— htosaki (@htosaki) September 25, 2024
RECODING
入力ソースは内部マイク・USB・ライン入力・無音
無音をあらかじめトラックに割り当てることで、編集時にそのトラックを使用することができる(編集時にトラックを新しく追加することはできない)EDIT時に後からトラックを追加することが可能トラックを3chまで追加できるサンプリングレートが48kHzのとき6ch、96kHzのとき3chまで追加できるTX-6を接続している時のみ、6chまで追加できるTX-6無しでも最大6ch使用できる6chにした場合入力は必ずTX-6経由に限定される。例えばCh1〜Ch5までをTX-6、Ch6をTP-7の内部マイクといった設定はできない。
複数ソース(アナログ入力、USB入力、内蔵マイク)の混在可能。ただしTX-6を12chモードで接続すると混在はできない。(※2chモードの場合は混在可能)BPMを設定でき、メトロノームや録音前のカウントインが可能
音量レベルの閾値を設定した自動録音開始・停止に対応
PLAY
順番に連続再生、単体再生、ループ再生を設定できる
ループ再生はファイル全体のループで、インポイントアウトポイントなどの設定はできないLOOPモードが追加。任意の区間のループ、サイズ調整、保存が可能CUEモードが追加
MIXモードが追加。トラックごとのレベル調整が可能。ただし設定したレベルは保存できない
EDIT
既存のファイルに対して再録音が可能。オーバーダブを行うか、上書きを行うかを切り替えることができる
トリミングやカットはできない
ループ再生しながらのオーバーダブはできないEDIT時にLOOPモードを使用することで可能6chで収録したファイルをエディットする場合は、TX-6を接続していなくても全てのチャンネルに対して編集が行える
編集するトラックを選択し、再録音が行える。同時に複数のトラックに再録音したい場合はTX-6が必要
CUEを2箇所設定することで、CUE間のみの再録音などが行える
複数トラックを1トラックにまとめる(バウンス)ことができる
MIDI
USB、Bluetooth経由のMIDIに対応
MIDIは入力のみ対応、プラッター動作などのMIDIメッセージは送信されていないMIDIモードCTRLにすると、プラッター動作などもMIDIが出力できる。ただしレコーダーの機能は失われる。オーディオインターフェースとしては引き続き使用可能MIDIモードSYNCにすると、録音時・再生時にMIDI CLOCKが送信できる。受信は不可
MIDIモードCUEにすると、外部のMIDIキーボードなどからMIDIノートでのCUEポイントの設定と呼び出しが可能になる
TP-7のMIDIのCUEモード、なんだろなと思ってたらMIDIノートでCUEを打てるという、なかなか予想外な機能だった。#teenageengineering #tp7 pic.twitter.com/HYw6FQobVn
— htosaki (@htosaki) September 24, 2024
ライブラリーモード
再生できるのはWAVのみ
フォルダ分けを行うことができる
おまけ:ケース
開け方わからずめっちゃ苦戦した
かっこいいけど、これだけコンパクトなものを2周りもでかいケースに入れるモチベーションが湧きにくい
その他レビュー的な事項
再生中プラッターを動作させているとピッチが揺れることがあるようです。また手に持って揺らしてもピッチが揺れます。これを使ってる時点でこの仕様は面白がれる人の方が多いと思いますが、プラッターをオフにすれば正確に再生することも可能です。
今後の要望的には、音量閾値を設定した自動録音開始、ループしながらのオーバーダブ、音声のカット(もしくはループのインアウトポイント設定)はサポートしてもらいたいところです。
プラッター動作に関して、停止時のブレーキングを少しゆっくりに設定できたりすると気持ちいいかも。
あとこれはないと思いますが、録音ファイルのBPM判定とマスターBPMへのビートマッチとかできるたらCDJ的で面白い使い方できそうだな、と思いました。
そのほか誤りや気づいた点があれば随時修正・追記します。
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