常念岳 東尾根 リベンジ(2020.03.20-21)
1月に敗退した常念岳の東尾根へ。前回と同じく同業他社の山男Kくんとリベンジ。無事登頂。2泊3日の予定だったが、結局1泊2日で。
前回は自分たち入れて2パーティーしかいなかったけど、今回は5,6パーティいて頼もしかった。
前回の記録。
常念岳 東尾根とは?
常念岳は長野県北アルプスにある百名山。標高2857m。
上高地の東側にあり、人気の燕岳(つばくろだけ)や大天井岳(おてんしょうだけ)を有する常念山脈の主峰。
コースとしては、燕岳の方から表尾根と言われるルートを縦走するか、上高地から蝶ヶ岳を経て到達するか、あるいは東の一の沢か三又からといったルートが通常の登山コース。なのだが、積雪期だけ現れるバリエーションルートで東尾根というルートがある。冬の間は林道が閉鎖され車で上高地まで行けないし、三又も一の沢も登山口まで行けない。
東尾根も車で登山口まではいけないが、とはいえ林道歩きが2kmちょいと他よりも少ないのでもっぱら冬季に常念岳を登る人はこの東尾根を使うことが多いようだ。
バリエーションルートといっても、テクニカルな岩稜などがあるわけではなく、藪は多いが難しさはない。夏に使えない理由としては水場がないせいだろう。
ホワイトアウトナビゲーション
1月に行ってみて間違ってた箇所(A,B地点)を修正。今回斜度も出してみたけど、やはりE-G地点はきつい。この斜度で笹薮だし。
そして大荒れ予報・・・
前日のヤマテンの予報。
金曜は樹林帯でテント泊だからいいとして、登頂アタックの土曜日、風速25m越え・・・
死にはしないだろうと思いつつ、K君とも相談して、ハーネス・補助ロープ・8環・スリング各種・環付カラビナなども装備に加えた。
前日の夜に、唐松岳での強風でテントごと飛ばされ死亡したパーティのニュースを見てしまったのもあり、不安であまり眠れなかった。
幕営地(I地点)まで
3時にK君をピックアップして、6時安曇野到着。
(ガスって常念岳は見えず)
ホリデー湯に到着。すでに5パーティーぐらいが準備中で、先に出発していった。遅れて我々も6:45出発。
雪降ってるけど、積雪なし・・・
幕営地までは1月と同じなので端折るが、積雪は減っていた。E地点まで所々しか雪がない。E -> F の笹薮地帯も泥が多かった。1850mのF地点から先は安定して雪がある感じ。
EとFの間でこの程度。地面見えてる。
1月に来た時は全然トレースがなく、かなり藪漕ぎしたが、この2ヶ月で入山した方もいるし、おそらくどこかの山岳会とかの方が藪をないでくれていたので、B->C地点の薮もしっかり道ができており、随分歩きやすかった。
どなたか知らないけどありがとうございます!!
H地点から先は、ラッセルまではいかないかもだけど、割とボフボフ。結構雪も降ってる。
(一番最後にいるのが私。前の4人組のパーティーが踏んでくれたあとを使わせていただいた。)
強風の予報なので、H地点手前の適地にテント張るか、前回と同じI地点に幕営するかで悩んだけど、結局前回と同じI地点へ。
I地点到着が12:40。約6時間。前回はK君の体調が悪く、8時間かかったけど、今回は道もよかったし、K君の体調も問題なく、さくさくっと進んだ。
風が強いので、テントの周りに城壁を作った。テント場についたのが2番目だったので、かなりいい場所を取れた。城壁を作ったというか掘ればいいという場所で、スリングでの確保用に太い木が近くにある場所を選んだ。
(若者が頑張って掘る)
設営完了。念の為、テント頂点のループをスリングで木と接続。
他のパーティも付近にテントを張ってた。
14:00にはテント設営も完了。暇なので、K君に簡単なロープワークを教えたりした。
新調したK君のバーナー。今回は問題なし。
今回用意した茶こしは、雪山テント泊のQOLをだいぶ高めてくれた。
でも翌日明るいところであらためて見ると、もっと細かいゴミが入っていて、結局FirstAidKitで持ってた三角巾を切ってフィルターにしたらかなりいい具合に細かいゴミも除去できた。
19時過ぎに就寝。
今回はFinetrackの2ULポリゴン上下、メリノウールの腹巻、メリノウールのタイツにさらにPatagoniaのマイクロパフ・ベストを着て、睡眠導入剤を飲んで寝た。前日あまりねれなかったのもあり、ぐっすり眠れた。
山頂アタック!
土曜は3:30起床で、朝ごはんを食べて準備して5:10過ぎに出発予定。森林限界を超えたあたりでモルゲンロート見えないかなーと。
気温は見なかったのでわからないが、強風に備え、寝ていた格好からはマイクロパフ・ベストとFinetrackの2ULポリゴンのパンツを脱いだだけの自分的にはかなり厚着で身支度。結果、寒さは全く問題なかった。(むしろテントに戻るとFinetrackの2ULポリゴンの上は汗でびしょ濡れだった)
暗い中、ヘッドライトをつけて出発。
1時間弱で森林限界を超えた。空が白み始めた。
(登る私)
(太陽は背中側から、人影はK君)
(弱めのモルゲンロートでした)
(雪煙に巻かれるK君)
前常念岳までも結構偽ピークというか、偽岩室があって、あれまだか、まだかを繰り返しつつ登る。
数十メートルごとに耐風姿勢をとったりしていたせいもあり、想定よりだいぶ時間がかかり、7:55前常念岳到着。
ルート自体はそこまで危険ではないが、岩場のトラバースは慎重さは必要。
前常念岳を超えたあとは、あとはもう少し。
頂上まであと少し!
9:15、登頂!!
北アルプスの山が全て見える、素晴らしい景色!
いやしかし、耐風姿勢なんて最初のピッケルアイゼン講習で少しやっただけなのに、この日だけで数10回やった。
下山
下山時も、時たまこんな感じで耐風姿勢必要。
バラクラバ、息がしんどいから、ちょくちょく口のところずらすのだけど、突風が吹くと、氷の粒が顔にブチブチ当たってめっちゃ痛いのであわててバラクラバを正しい位置に戻す。
11:30、テント場に戻る。
当初の予定では2泊3日の予定を立ててたけど、2日目早くスタートしてテント場まで戻れたので、1泊2日で下山することに変更。
とりあえず水が足りなくなって、頭痛してたので、お湯を沸かし、水を飲み、そして昼ご飯を食べつつ、撤収。
13:15にテントも全部撤収して、車に17:30到着。
下山口にあるホリデー湯で水風呂に浸かって、休憩所でストレッチして回復を図る。
落ち着いたあと帰京。その前に安曇野のステーキ宮で晩御飯。タンパク質をしっかり摂取。
肉450g!!
中央道、相変わらず小仏トンネルなどで渋滞していたけど、23時ごろ東京到着しました。
百名山20座目でした。