11/27 ステアホゲネプロ感想
ここでは初めての畠中さん舞台に行けた感想として、どどどどど正直に私の感じた事を書き連ねようと思います。
正直に言うと、、、私は脚本が合わなかったです…………( ; ; )!!!!! お2人の演技は本当に演者としてでなく、"千春"と"明夫"という人間が目の前で生きていて凄いなぁと終始感じていたのですが、私は脚本に疑問がずっと湧いてしまったんですよね…
前提として、私はディズニー映画のようなみんなが優しい世界のお話が大好きだというのと、両親に幼少期から常に"自分ではなく相手の気持ちを想って動けるようになりなさい、絶対に相手を傷つけては駄目"という教えの家庭環境であるというところがあるのですが、千春ちゃんが複雑な家庭環境であった(お母さんがヒステリック?)というバックグラウンド持ちという事を考慮しても余りにキツすぎる態度であった事と明夫が何故そのような千春ちゃんでも固執するかのようにずっと付き合い続けていたのかという所に疑問を持ちました…。
私は小説を書くオタクでもあるのですが、私は"2人を繋ぐ結びつき"や"2人がお互いでなきゃいけない理由"がはっきりしているのが好きなんですね…それがこの舞台では、付き合ってる所から始まってしまっている為(なんでまずこの2人は付き合ってるんだろう)っていう所が気になりました…。私は恋愛経験が豊富な方ではないし、"大学で出会ってなんとなく馬が合うから"という始まりなのかもしれませんが、そうだとしたらやっぱり明夫が何故あれだけ周りにどれだけ言われようと"千春と別れたくない"や最後に理由も結局はっきりせずに転がり込んできた千春に"もう一度やり直したい"という程好きが募っているのだろうという点が気になります。畠中さんの演技が悪かった訳では一才なく、むしろ畠中さんが"明夫"になればなるほど私はこの点が気になってしまったんです。
また、最後のシーンでの千春の「結局なんだかんだ楽しかったよね」という発言は、最初転がり込んできた時はあれ程キレ散らかしていたのに貴方から楽しかったよねって言うの!?と私は驚いてしまいましたし(明夫から言うなら優しい彼の事なので理解できますが…)、「戻って来た時に(明夫)がもっと嫌なやつになっていたらどうしようかと思った」という発言では私は千春ちゃんが話を聞かない態度を取らなければ明夫もあそこまで怒鳴り散らかすまでにはならなかったのでは…と思ってしまい、なんとなくずーっと千春が明夫を上から目線で見てるような雰囲気が私は好きになれませんでした。(それがこの2人の丁度良いバランス関係だというなら私は本当に肌に合いませんでした…。)
そして、この監禁状態になる前に5年ぶりに突然千春が明夫の家に来た理由を「ネックレスを忘れたから」と言っていましたが、伏線回収されるのかな?と思いきや結局何故来たのかの本心が私ははっきりと掴みきれなかったのでその点についてもモヤモヤしてしまいました…。最初の千春ちゃんのチクチクした言葉やギスギスした態度から関係を修復したかったり、恋人関係までは戻らなくともあんな別れ方をしたから謝りたかった訳でもないので、本当ネックレスを貰ってどうするつもりだったんだろう…と考えてしまいます。どんな気持ちで明夫の家に向かっていたのかな…うーん…。
ゲネプロを見終わった後にフォロワーさんにこの事を話したら「この脚本家の人は2人の繋がり(私が重視してしまうもの)よりも、最初に自分の気持ちをうまく出せなかった2人が時が経って少し強引にでも2人で居なければならない状況になった時に自分の素直な気持ちを出していけるようになったり、互いを理解し合えるようになっていたその後の変化をよく見せたかったんじゃないかな」というように話して下さって少し納得する事が出来ました。お母さんを心配して電話を掛けたり、あなたが正しかった(お爺ちゃんの見舞いに行けば良かった)と明夫に直接伝える場面では、千春ちゃんも本当に本心で行動したり言えたんだろうなというのが伝わって来て良い方向に変われて良かったなぁ…と私も思いました…!でも!最後の台詞!!!(やっぱり納得できていない)あと思い出したので書き足すのですが、1人5万の旅行に行こうと提案する所も私は明夫が旅行には行きたいけれど…千春の事は好きなんだけど…苦笑いしてしまう気持ちはよく理解できるな(私は明夫のように2人で並んでピザでも食べれてればそんな小さな幸せで満足できる兎に角明夫よりの考えの人間)と思ったのでもう本当に始めから千春ちゃんちょっと自己中すぎて好きになれんな…千春ちゃんの可愛い所が私は見つけられないな…と思ってしまったのも原因かも…。
ここまで書きましたが、やっぱりお2人の演技は生々しくリアルでしたし、ここまで私が(千春ちゃんどうしても好きになれんな…)と思わせる程に富永さんのピリついた迫力のある演技、いつもの明るく優しい畠中さんの面影が全く無かった怒鳴り声、2人の間に流れる空気感がパッパッと変わっていく演出は現地に入ってあの距離で感じることが出来て本当に良かったと思いました。見ているとこちらまで心が苦しく重たい雰囲気になってしまいましたが、きっと畠中さんはそんなこちらの感情を一緒に動かしていけるようなお芝居をあの小さな劇場でやりたかったのだと思うので、その点で言えば私は100%の感受性で楽しめたのかなとも思います。
こんなに書いちゃったけど!畠中さんの舞台がまたあったら行きたい!です!とっても楽しかったです!!!!!!
【追記】この文を書いた後にフォロワーさん達が開いていた感想会スペースを聞いていたのですが、「千春は付き合った時からそれ程明夫の事を好きじゃなかったんじゃないかな」と仰られていた方が居てなるほどな…!?リアルの恋愛ではそのパターンもあるのか…と気付かされました…。それでも告白を受けたのは"ベタベタに横浜のデートスポットで、ベタベタに観覧車に乗って、ベタベタに頂上で告白してくれて、更にはサプライズでネックレスまでプレゼントをしてくれる明夫"なら私の理想のカップルになれるんじゃないか(千春ちゃんは少しロマンチストな所もある?インスタで周りがやってるようなキラキラなデートやサプライズに憧れている?)と期待したからではとも話されていて、確かに始まりが素敵すぎたからこそ実際付き合った後のデートでは家のピザで済ましたりしようとする所がもやっとするのか…と少し千春ちゃんの気持ちを理解することが出来ました。そして大喧嘩した時に「理想と違った?こんな俺じゃないと思ってた…?」という明夫の言葉がそれなら更に辛く感じるねというフォロワーさんの言葉にもハッとして…!そしてその通りだからこそ何も言い返せなかった千春…いや〜〜〜〜〜辛すぎる…価値観や金銭感覚のズレだけでなく、根本のお互いへの気持ちがズレていたんだなぁ…でも当時は自分の求めたことを否定せずに全部叶えてくれる事(言った事を受け入れてくれる事)が幸せなんだと考えていた千春だとするなら、今回の監禁生活で明夫が千春の好きなチーズ入りの野菜炒めを作ってくれて「覚えててくれたんだ…」と呟き、明夫が「全部覚えてる」と優しい顔で答えてくれた時に(明夫は私の事をちゃんと愛してくれてたんだな)と派手な事をしなくてもこんな小さな事が幸せにもなるんだなという事にも気づけたんじゃないかなと思いました。それでも最後やり直さなかったのは、千春ちゃんの中でやっぱりまだ同じ事の繰り返しになるんじゃないかという不安が拭いきれなかったり、価値観の違いはどうしても埋められないと思ったからなのかな…明夫にまた甘えるのは違うと思ったとか…?千春ちゃんと明夫が本当にありのままの素の状態で、頑張らなくても気が合うと感じられる相手が見つかりますように…こんなに2人の人生について考えてしまうのでやっぱり良い舞台だったな…むしろ考えられる余白がある物語だから良いのか…また新たな勉強になりました💭