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コーヒーの木にあるロマンと夢

観葉植物として人気のあるコーヒーの木。名前の通り、コーヒー豆のもととなるコーヒーの実がなる木だ。

パキッとした緑で、艶のある葉。とても美しくて、生命力があって頼もしい。私はこの植物に、憧れのようなものを抱いている。自分にないものを持っているように感じられるからかもしれない。

だが、コーヒーの木はその観葉植物としての魅力だけにとどまらない。

コーヒーの木は本来、高い気温と寒暖差を好む。そのため赤道付近で標高の高い場所が好きな木だ。コーヒー豆の栽培が盛んに行われているのも、そのあたりだそうだ。

しかし、日本の家でもなんと、実がなるコーヒーの木は育てられるという。何度か冬を越え、うまく育てられれば花が咲き、実がなるらしい。花が咲くのは、全長が1mを超えた頃からだという。

花は、このように小さくて可憐で、控えめな白い花。ぱっきりと分かりやすい葉の色ツヤとは異なるギャップがまたいい。

花は2日間くらいしか咲かず、ジャスミンのような香り高く甘い匂いを放つという。花が咲いたからといって必ずしも実がなるわけではなく、花は咲いたがその年に実はならなかった、なんてこともあるようだ。

だいたい実が収穫できるまでには数年以上、育てる環境にもよるのだろうが、6〜7年かかったという人もいた。すごい年月だ。

▲コーヒーの木になる実。

25歳の私が今からコーヒーの木の小さな苗を買ってきて育てるとして、うまく枯れずに育っても32歳くらいになるまで実とその中のコーヒー豆を見ることはできないということになる。果てしない。

でも、「いつか結実して自分の育てたコーヒーの木からコーヒーが淹れられるかも……」と思いを馳せながら、コーヒーの木とともに年月を過ごすのを想像してみると、すごくロマンがあるなと感じた。

ちなみに普段飲むコーヒーに使われているコーヒー豆は、このコーヒーの実のなかに入っている種を取り出し、焙煎したものだ。

日本の自宅でコーヒーの木を育てている人で、収穫した実からその種を取り出し、自分で焙煎してコーヒーを淹れている方もいた。すごい。

ただ、やはり実のなる木に育て上げるのは一筋縄ではいかないらしい。
冬を越すには家の中に入れた方が良いらしいので、実をつけるまで育てるには1mを超えた木を家に入れられる環境が必要となる。なかなか都内近郊の賃貸マンションでそこまで育てるのは難しそう。

でも、いつかチャレンジしてみたい。1m超える木をうちに入れられる環境ができたら、結実に向けてチャレンジしてみたい。植物とともに寒い冬を越え、年月を重ねるという暮らし方も、すごくいいな。

これは、いつか叶えたいなと思えるささやかな夢。強烈に思い焦がれる夢でなく、「いつかそうできたらいいな」のレベルで、でも穏やかに生きる支えとなってくれそうな夢。
そんなものが見つかって、少しうれしい。

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