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「どんな会社に転職しても最初は後悔する」のかけらを感じた部署異動の話


18時。

勤め先の会社が入っているビルを出る。ビルの自動ドアが開いた途端、たっぷりの湿度と昼の熱気を帯びた生ぬるい風が吹き込んでくる。

ビルから一歩出て、マスクをそっと少しずらし、肺一杯にすうっと大きく息を吸い込む。
すると、脳に染みていくような、海の香りがする。


勤め先は、東京湾からそう慣れていない場所にあるから、磯の香りが風に乗ってほのかに香るのだ。

会社に出勤するようになってから、この退勤後のひと呼吸が、最高に幸せな瞬間になった。愛媛の海沿いで育ったから、海の匂いは昔から慣れ親しんだ匂いである。楽しかった思い出と結びついているからか、海の匂いはわたしを幸福感で満たしてくれる。

7月、私は社内で部署移動をした。ほぼ同時期に、引っ越しもした。
仕事と環境の変化にやっと慣れてきたので、少し綴ろうと思う。



6月末、引っ越しをした。
7月、3年勤めてきた会社内で部署異動をした。フルテレワークが、週3出社になった。10時19時の定時が、9時18時になった。

ただの部署異動といっても、週3出社の影響で起きる時間は2時間早くなり、初対面の人が上司になった。

私は警戒心が強い子鹿みたいな性格なので、会社の周りの人たちと一緒に仕事をする時、頼まれてもいないのに不必要に気を遣いすぎてひとりで気疲れをした。
仕事自体も、「うまくやろう、うまくやろう」と気を張り過ぎて、真綿で首を締められているみたいな感覚の中(どんななん)2週間くらい仕事をしていた。


以前ツイッターで、「どんな職場に転職しても最初は後悔する」というツイートを見た。「ああ、今の私の感覚もそれと同じかなあ」と思いながら過ごした1ヶ月だった。

約1ヶ月経った今はというと、働く環境にも周りの人とのコミュニケーションにもようやく慣れてきた。
が、9時18時の生活リズムには未だに慣れない。3年かけてつくってきたリズムは、思ったより頑固だ。

朝に弱いので、毎朝7:30に起きるのがだいぶ辛い。いつも、9時ギリギリ出社だ。
「仕事は真面目にするけれど朝弱い人」ってキャラにしておこうと思っている。

社会人1年生の頃は、非の打ちどころがない立派な社会人にならなきゃ、と頑張り過ぎていたように思う。
社会人4年生の今は、ちょうどいい塩梅のキャラクターを作る方が楽だし、愛嬌や人間味があっていいかなとか思うようになった(周りがどう思っているかはわからないけれど…)。

真面目にやりすぎると心身ともに持たないから。抜けるところは抜きながら、なんとかやっていこうと思います、夏。

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