おめでとうが云えなくて
カレンダーを見ると、今日は仏滅。嫌な予感はしていたけど、やっぱりだった。
「誕生日おめでとう。〇〇ちゃんが楽しみつつ、充実した日々を送れるように影ながら祈ってます」
前日から用意していたメッセージを何度か読み直し、送信ボタンを押す。
その瞬間、けたたましい音と共に送信失敗を告げるメッセージが届いた。何度かやり直してみるが、結果は変わらなかった。彼女との連絡は完全に絶たれてしまった。
去年は返事はなくてもちゃんと送れたのに、今年は送れもしない。完全に彼女から私の存在は消されてしまったのだと感じた。
彼女はとても優しくて、私がほしい言葉をいつもくれた。高校を卒業する時は、手紙を書いて応援してくれた。感謝してもしきれないほど私にキラキラ光る思い出をくれた。
優しい子だったからずっと気を遣わせていたのかもしれない。今になってもっとああしていれば…と後悔している。
もっとメールしたかった。もっと一緒に遊びたかった。もっと友達でいたかった。
でも、もう終わってしまった。
返事はなくてもいい。
せめてこの言葉だけは伝えたかった。
届かないかもしれないけど
「誕生日おめでとう。幸せにね」
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