手首のはなし 2
こんばんは。
今回はこのまえの続きを書いていきます。たぶん短めになると思いますがどうぞ。
好奇心が自傷行為になって、一年くらいが過ぎた。左腕はボロボロ、楽器のギロみたいになった。
誰にも気づかれないよう、隠せていたはずだと思う。
親に見られた時も、「引っ掻いちゃって」と誤魔化した。心臓が痛かった。
「あそう」で済んだ。
安心と同時に、言い様のないさみしさが襲った。
なんでそんなにあっさりしてられるの?
貴方たちにとって私はその程度なの?
大事にされてない、と思ってしまった。そんなことはないはずなのに。
最初のうちは貼っていた絆創膏も、もう貼らなくなった。部屋には大量の絆創膏たちが、所在なさげに寝転がっている。
袖が汚れても洗えばいい。
左腕に力が入らない。体育の腕立て伏せもできない。重いものは持てない。
力をいれると、その日の傷が開く。
もう切るところはないのに、どんどん上書きされていく。出血量が少ないと物足りなくて、その分切っていくから、1回で肘から下の半分ほどは血塗れになる。
半袖になれない。幸い暑いのは苦ではないタイプだから特に問題はなかった。プールの授業もうちにはない。
高2になって、担任にバレて、親に告げ口されて。
また同じ反応。
「中学の時だけでしょ?」
笑いながら言われた。
親も担任も、私のことを腫れ物みたいに扱う気がする。でも私が同じ立場ならそうしていただろう。
親に言われていちばんつらかったのは、
「躊躇い傷か?」
そうだよ。そうに違いない。
でも傷が深くなくても、死にたい気持ちはちゃんとある。嘘じゃないんだよ。
自分のぜんぶ、死にたい気持ちまで否定されて、なにも残らなかった。
心が寒くてさみしい。空いた穴が埋まらない。
なにもかもが私をすり抜けていく感覚。
透明になったみたいだった。
でも血は赤い。
それを見て、ちょっと安心する私がいた。
眠たい。今日はこの辺にしておきます。明日で学校も終わりだし、またいろいろ書きたい。
それでは今日も一日お疲れ様でした。
おやすみなさい。