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シラカバが家具に!?
森林講座に参加した。講師は、北海道木材産業の歴史・経済学・価格決定の伝道師 森林総研・北海道支所の嶋瀬拓也さん。今回は、「広葉樹シラカバが家具に!?国産広葉樹を使いこなす取組み」カンバ類は6種、ウダイカンバ、ダケカンバ、シラカンバの3種が木材産業に使われる。
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樹形が全く違うことにも驚く。
ロシア産広葉樹の輸入が無くなり、中国が欲しがり、北米産に限りがあり、道産広葉樹を使いこなす時代がやって(やっと)来た。
1.不人気樹種を使いこなす
白樺はパルプだよ。ケヤマハンノキが混じる。白くてしなることから、アイスヘラ、割り箸などに使われる。用材価格はチップ材+5000円、菌床栽培用のオガ粉用は+1000円、はい別けコストは400円なのでお金になる。フローリング用には、カスリ(穿孔虫による傷害樹脂道)がある、赤身と白太が混じると敬遠されてきた。しかしナラより暖かみがあると評判に。シラカバ合板はシナ抜き型合板の代替が内装材に。台板の表面、化粧材の下地、MDFの代替で1.2万円、2500m3の需要が生まれた。ハンノキも同様。
樹皮細工、白樺化粧品、耳付き家具(樹皮と丸みを持ったまま使う)、灰を釉薬などは総合林産業に秀逸な製品だ。
2.小さな丸太を使いこなす
幅狭、節、源平などの欠点をダーク系塗装で誤魔化すのではなく、「そのまま使うという選択」。
3.ハネ材が人気商品
孔や節が「欠点でなく個性」「かっこいい」というマーケットへ売る。
4.生産流通サイドにも動き
官材は単はい売りからロットはい売りに。その影響からか、官材と民材の価格が合ってきた。然し、天然林は伐らずに人工林への侵入木が主体に出されている。
5.「とりあえずハイボール」がミズナラ需要を喚起
突板 40cm 2.4m丸太(通直、目が通っている、節がないもの)が20万以上で売れる市場に、需要基準の多様化で新しい価値が産まれている。ウイスキー樽用材(有明産業、丸岡工業など、メーカは北海道に無いのか?コナラやアベマキ、クヌギではダメか?ミズナラは風味が独特)やグランドピアノ側板など楽器材が割って入る。国産広葉樹を世界の稀少材市場に売ってみる。それには加工技術が必要だ。
6.パルプ材で終わらせないために
日高産広葉樹材を50mm程度に挽いて乾かさずに売ってみた。。。全て売約済に。丸太もチェーンソーでカットして持っていく始末。誰が勝っていくのか?ひょっとして中国へのバイヤー?実体はクラフト作家さんなどらしい。安定供給できないか?との問い合わせもあるそうだ。
北海道のボリュームだから成立する話か? いやいや
1)国産広葉樹に対する全国的な需要の高まり
2)里山二次林の利用に対する政策的な要求
国産小径広葉樹を使いこなす新しい産業が、地方に活路を見出す時代が来る様に、一つづつでも前に進めたい。