Bokeh#3(10.フルサイズがほんとに偉いのか)
1.はじめに
2.カメラのパラメータについて
3.ボケについて
4.シャッターについて
5.ISO値について
6.色に関するあれこれ
7.ホワイトバランスに関するあれこれ
8.照明について
9.デジカメには何万画素が必要か
10.フルサイズがほんとに偉いのか
フルサイズのデジカメを10年以上使っているので、今更感はあるものの、これもまた考えてみる。
(1)フルサイズとAPS-Cの考察1
A4サイズの写真とその写真を半分に切った写真。どちらが、高画質?
当然、同じ画質、ボケ味も一緒
結論1:フルサイズとAPS-Cは同画質、被写界深度、ボケ量、ボケ味はすべて同じ。
(2)フルサイズとAPS-Cの考察2
結論1への反駁。結論1が成り立つのは、APS-Cの画素数がフルサイズの半分の場合(撮像素子の面積が半分だから)。
結論2:同じ画素数なら、APS-Cの方が高画質
(3)フルサイズとAPS-Cの考察3
結論1,2への反駁。同じ写真(例えば上半身)を撮る場合、画素数が同じなら、同一の画質。
ただし、同一の画素数の場合、撮像素子の面積は、フルサイズ(36mm×24mm)≒APS-C(23mm×15mm)×2となり、同じ技術で作られている場合は、フルサイズのほうが高画質。
さらに、同じレンズならAPC-Cの方が遠くから撮る必要がある。このため、ボケはフルサイズの方が大きくなるのは前述したとおり。また、広角レンズを用いてAPS-Cでも、フルサイズと同一の距離からとることもできるが、やはり、ボケは小さくなり決してフルサイズと同一の写真は撮れない。
結論:上記の考察では、理想的なレンズを使い、全く手ブレしないように固定したカメラで、完全に静止した被写体を撮影した画像を等倍で比較した場合の話であって、前頁で、比較した通り、既に必要な画素数を大きく上回っている現在のカメラでは、どちらも十分綺麗という当たり前の結論になる。
むしろ、ボケの大きさや画角を利用した歪みを活用するためにフルサイズを使っている。