北米企業の退職手続きのあっけなさ
最近、IT関連のレイオフのニュースを多く見ているので、このご時世なんとも贅沢で、そして恵まれた環境に置かれていることにとても感謝しております。
北米企業に長らく正社員として勤務していましたが、前職場の同僚からお誘いがあり、自分の中で今まで培った知識・経験がとても活かせる尚且つ自分の力量次第で会社をものすごい成長できそうだと感じたので、これはOnce in a life time opportunityだと思い、退職を決意しました。正直、前職場から連絡をもらった時は、転職する気持ちはほぼゼロでした。この経験から、常にアンテナを張って行動することの重要さを改めて感じる出来事でした。
正社員として、北米企業の退職手続きは初めて経験したので、記事にしてみました。以下が退職手続きの流れです。
北米での退職手続きの流れ
ステップ1:上司へ報告
私の場合はフルリモートだったので、電話で退職の意向を伝えました。退職理由は当たり障りない内容を伝えました。
ステップ2:人事システム上での退職手続きの申請
最終日など簡単な項目を記入して申請をしました。
ステップ3:仕事仲間への通知
仕事でお世話になっている人へチャットで伝えました。北米はコネ文化です。LinkedInなどで繋がっていると、いつかまたご縁があるかもしれないので、いい印象のまま退職することはとても大事だと思います。
ステップ4:仕事道具の返却
私の場合はフルリモートだったので、仕事道具の返却は郵送用ボックスを送ってもらって、返却しました。
ステップ5:RRSP(自己積立型年金プラン)の手続き
北米では、定年退職後に全員もらえる年金と、自己積立型年金の二つがあります。自己積立型年金プラン(RRSP:Registered Retirement Savings Plan)は、定年退職後のセカンドライフの収入を補足する資金を貯蓄するために金融機関を通し、政府に登録される口座です。基本、企業が用意する金融機関を使って毎月の給料から一定額を積み立てていくことになります。転職した場合、この口座をそのまま維持するか、新しい会社に移行するかの手続きが必要になります。
補足
RRSPについて
RRSPのために差し引かれた収入は、所得税から控除されます。正確には、定年退職後の将来に引き出す時に、所得税を払うことになりますが、少ない金額で済むようになります。また、会社が提供する口座にもよりますが、RRSPの資金運用は、国債や全世界株式など、運用方法を個人が決めることもできます。
健康保険について
カナダでは、歯科系以外の医療費は無料なので、転職による健康保険の手続きはありません。
退職通知のタイミング
カナダ・オンタリオ州では、辞表の意向は雇用主に最終日の2週間前までに通知することが法律で義務付けられています。しかし、入社の際に締結する雇用者と雇用主の契約書では、ある一定の期間雇用状態が維持された場合、退職通知は2週間より前に通知するようにされていることもよくあります。
まとめ
日本企業で必要な辞表文化がなく、退職手続きはとてもシンプルに感じました。また、会社の福利厚生として提供されている医療保険(歯科系や入院費用などのカバー)や生命保険は、最終日で自動解約になります。