#10-2 氾濫原のオアシス【シリーズ:首都圏を見つめる】
こんにちは。今回も、【シリーズ:首都圏を見つめる】をやっていきたいと思います。
こちらは2021年12月に開催された『第12回 土木写真部写真展』に出展した写真を紹介しつつ、私なりに「首都圏の姿を見つめる」企画です。今回は第2回です。
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1.今回の行き先は?
さて、今回やってきたのは千葉県柏市にある柏の葉キャンパス駅。2005年に開業した鉄道路線、つくばエクスプレスの駅として大きく発展しました。現在、東京大学を始め、ショッピングモールや病院など様々な施設があります。
今回はこの街を支える影の存在に迫ります。
2.“影の存在”とは?
駅から北東方向に10分ほど歩くと、開けてた場所に出てきました。かなり大きな池が目の前に現れました。街の中に大きな池がある、変わった光景にシャッターを切りました。
この池の正体は、柏アクアテラスと呼ばれる調節池。大雨の時以外は写真のように池の上を渡ることも出来ます。まさに『オアシス』のような素敵な場所です。
調整池とは、洪水を防ぐために雨水を一時的に貯める施設です。住宅地などを開発すると一般的に雨水等の地面にしみ込む量が減るのでその地区から流れ出る水の量が増え、この開発区域より下流の川では洪水の危険が高くなります。新しい住宅地とセットで作られることが多いです。
柏の葉キャンパスはやや標高の高い位置にありますので、河川氾濫による影響は少ないと考えられますが、低地へすぐに流れてしまう水の量をへらすためには調節池が必要だと言えますね。
3.調節池で街を切り開く。
近年、柏の葉キャンパス駅だけではなく周辺地域でも開発が進んでいます。特に越谷市、吉川市、三郷市内における武蔵野線沿線の開発が進んでいます。武蔵野線は1970年代に開業していましたが、水害が多い地域だったことから住宅地としてあまり適さないエリアでした。しかし、このエリアに武蔵野線の駅が2つ誕生しているなど住宅地・商業地が作られる動きが見られます。
特に印象的な場所が越谷レイクタウン。名前の中にある“レイク”とはまさに調節池のこと。街の中心部に大相模調節池という調節池が設けられています。近くにある河川の流量を調節する機能もあるため、かなり大規模です。
その他、新三郷駅周辺には貨物駅跡地を利用してIKEAやららぽーと・コストコなどの大型商業施設が立地しています。
洪水とどう向き合っていくか、今後に注目したい街の一つです。
首都圏を見つめる旅、最後はどこに向かうでしょうか。
お楽しみに。