05-転職とは一体何だったのか?
結論として、最悪の事態を回避する目的での転職は、人生好転のきっかけにはなりませんでした。
自分にとって転職とは一体何だったのか?というお話です。
転職に至るまでの経緯を簡単に振り返ります。
1.収入が増えない
転職先を決める上で最も重視したのは収入でした。
転職の目的は、最終的に収入減を食い止めることになりました。
収入減に歯止めがかかれば、精神的苦痛は和らぐと考えていました。
精神的苦痛が和らげることが、人生好転のきっかけになると考えていたのです。
転職実現に向け、条件に見合う求人を探し、かたっぱしから応募しまくりました。
業種職種は関係ありませんでした。
100件を超える面接の結果、複数の企業から内定をいただきました。
個々の事情により、結果的にすべて辞退しました。
一番のネックは、やはり収入面でした。
残念ながら、当時の収入を上回る条件を提示した企業はありませんでした。
キャリアや経験が収入に大きな影響をもたらすこともありませんでした。
今回の転職先も条件的には他企業とほぼ同一でした。
提示された月収は希望額のギリギリ最低ラインでした。
前職でさらなる収入減が確定していたため、受け入れるしかありませんでした。
何より時間がありませんでした。
まさにタイムリミット直前の決断でした。
苦渋の選択は、人生最大の妥協でもありました。
転職を決めた後も、ずっとモヤモヤしていました。
転職先として本当にふさわしいのか?
これまでの転職活動が無駄にはならないか?
そもそも納得のいく転職なのか?
そんなことを考えているうちに、初出社日がやってきました。
環境の変化に気持ちが追い付くことがないまま、試用期間に突入したのです。
2.明るい未来をイメージできるか?
転職活動を続ける中で大切にしていたことがあります。
明るい未来をイメージできるか?ということです。
明るい未来には2つの意味があります。
ひとつは、自分自身の成長や活躍がイメージできるか?
もうひとつは、転職先の将来は明るいか?です。
特に転職先の将来性や成長性は重要な要素でした。
業績低迷による精神的経済的ダメージがいかに大きなものであるかを、前職でイヤというほど経験していたからです。
同時に業績が低迷する中で積極採用に踏み切る企業はないと考えていました。
採用に積極的な企業は、業績好調であると考えていたのです。
しかし、その淡い期待は見事に外れてしましました。
転職先も業績好調とは言いがたい状況でした。
成長性の高い業種でもないため、めざましい業績回復も見込めないと感じました。
入社後のキャリアについても概ね予想がつきました。
役職がついたとしても拠点責任者止まり。
拠点責任者になったとしても、基本昇給はありません。
収入は増えず、責任だけが重くのしかかるポジションなのです。
仮に定年まで働いたとしても、収入は良くて現状維持といったところです。
厳しい現実に直面し、目標を描くことができませんでした。
半減した収入を取り戻すのはここでは無理なのかも…
ここで終わりたくない…
3.離職率の高い職場
転職して気になることがありました。
それは、離職率の高さです。
データや比較対象があるわけではありません。
あくまで入社後の感覚です。
最初に気になったのは、責任者不在の拠点が複数存在していたことです。
不在の理由を聞くと「昔はいたのですが…」との答えが返ってきました。
私自身も拠点に配属されながら、責任者ポジションに魅力を感じることができませんでした。
魅力を感じないのはなぜか?
問題点を書き出してみることにしました。
昇進を希望する人がいないのは、組織の停滞感や閉塞感を生み出すものです。
この環境に息苦しさを感じずにはいられませんでした。
4.組織で働くことの限界
入社1か月目にして再転職をすることに決めました。
退会したエージェントに再登録し、活動を再開させました。
エージェント担当者が変わりました。
担当者は経歴や転職活動状況について一から聞いてきました。
少しうんざりしたものの、一から答えるしかありませんでした。
転職活動は思うように進んでいません。
このような状況ですので、エージェント経由での転職は現実ではないと考えています。
ただ、自分で選んだ道なので仕方ないとも。
私にとって転職とは「組織とは何なのか?」を再確認する行為だったのかもしれません。
望んでいるのは、組織に依存せずに生きていくことでした。
私が望んでいるのは、転職ではなく組織に依存せずに生きていくこと。
そこを再確認できたのが今回の転職だったように思います。