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11-最悪期からの脱出

はじめて経験した転職先は想像と逆の世界でした。
入社から約半年、上司である役員から威圧的かつ攻撃的な言動を受け続けました。

その言葉はパワハラとしか言いようのないものでした。
無能扱いされるたびにメンタルは消耗し自信を失いました。
メンタルは崩壊寸前まで追い込まれてしまいました。

休日は憂鬱な気持ちとの戦いでした。
出社は恐怖との戦いでした。
出社に対する恐怖は週を追うごとに膨れ上がりました。

悪い流れは続きました。
入社1か月目にして転職活動を再開しました。
再開した転職活動も全く手ごたえがありませんでした。
このような状況の中、役員との面談がありました。
「このままだと4月にはランクを下げざるを得ない…」
事実上の降格予告でした。

憂鬱な気持ちをひきずったまま年末年始休暇に突入しました。
休暇中も気持ちが落ち着くことはありませんでした。
「4月までに自分はどう行動すべきなのか?」
やはり転職に動くしかありませんでした。
年末年始も転職活動を続けました。
企業からの反応は全くありませんでした。


1.好転のきっかけをつかむ

好転のきっかけは突然やってきました。
それは、年始一発目の役員報告でした。
ある案件の事業計画報告でした。
全ての数字に対し根拠が必要な報告でした。

役員報告はトラウマでした。
報告するたびに「お話にならないな」で終わってしまうのがお決まりのパターンでした。
資料を見てもらえないことすらありました。
ひとつでも根拠が言えなければそこで終わりというシビアな報告でした。

今回も同様の展開を覚悟していました。
過去の反省点をふまえ、根拠をすべて書き出して報告に臨むことにしました。

役員の反応は全くの想定外でした。
「とりあえずこれでいこう」
「え?!」
耳を疑いました
何と一発で計画が通ったのです!
入社以来続いた絶望が希望に切り替わった瞬間でした。

変化はさらに続きました。
数日後、役員に誘われ飲みに行くことになったのです。
予想外の展開でした。
うれしさと戸惑いが交錯しました。

報告以降、流れが変わりました。
休日の憂鬱な気持ちが消え、出社に対する恐怖も消えていきました。
常態の良いときの自分を急速に取り戻していく感覚がありました。
それは、前職から続いた長いトンネルから光がさした瞬間でした。

2.必要とされている感

今回の報告が人生好転のきっかけと受け止めることができた理由は2つあります。

  • 必要とされている感

  • 目標の明確化

1つめは「必要とされている感」です。
それまで自分が新しい職場や仕事に対し抱いていた感情はネガティブなものでした。
「組織にとって不要な人間」
「この報告に一体何の意味があるのだろう?」
上司から攻撃を受けるたびに、これらの感情で頭の中がいっぱいになりました。

それが、今回の報告を境に180度変わりました。
「組織にとって必要な人間」
「この報告からこの案件を一気に進めていこう!」
に上書きされてしまったのです。

「必要とされている感」は自信に近いものだと思います。
自信とは自分を信じることです。
人生を好転させるうえで自分を信じることは最も重要な要素なのかもしれません。

2つ目は目標の明確化です。
今回の報告で同時に役員から言われたのは「次期拠点責任者」というポジションでした。
この言葉は、降格予告から一転して昇格の可能性を示唆していました。
つまり、降格という最悪の事態が事実上回避されたのです。
同時に入社後初めて目標が明確になった瞬間でもありました。

人生好転のきっかけをつかんだとはいえ、今回の転職が正解だったのかどうかはわかりません。
ただ、メンタルが崩壊寸前であってもあきらめずに取り組めば環境が変えられるということを学んだことだけは事実です。



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