実話怪談 携帯電話から聞こえる霊の声
僕は昔からよく不思議な体験や怖い体験をする人間です。
今から話す内容はその中でもかなり怖かった時のお話です。
僕が二十歳くらいの頃、とても仲のいい先輩がいて、しょっちゅう一緒に遊んでいました。
その先輩はけっこうヤンチャな先輩で、何度も鑑別所に入ったり、刑務所に入ったり、10代で結婚して10代でバツイチになる。っていうような、なかなか破天荒な先輩でした。でも、根はすごく優しくて僕が間違った方向に進もうとすると「お前は絶対にこっち側にくるな!!」と止めてくれる存在でもありました。
その先輩は霊感が強いらしく、しょっちゅう幽霊が見えるとのことでした。
もともと霊感があったわけではなく、元の奥さんが霊感の強い人でいっしょに居るうちに自分も見えるようになったとのことでした。
誰に聞いたか忘れましたが、霊感の強い人といっしょに居ると、自分も強くなるか、吸い取られるか、どっちからしいです。
この先輩の場合は強くなってしまったということですね。
さて、そろそろ本題に入りましょう。
この日も仕事が終わり夜から先輩と遊ぶ約束をし先輩が運転する車でブラブラしていました。すると先輩が「景色でも見に行こうか」と言い、和歌山県に車を走らせることになりました。
海沿いの道を走り、曲がりくねった峠道に入り車は坂道を上がって行きます。
僕は先輩に「山の上に向かってるの?」と質問しました。
先輩が言うには、この道を上がりきったところに小さな動物園と植物園が一緒になったテーマパークがあるとのことでした。
断崖絶壁の上に敷かれた道をくねくねとハンドルをきりながら車は進んで行きます。下を見下ろすと真っ暗な海で「落ちたら死ぬな」と少し恐怖をおぼえるような場所でした。
そんな時、先輩の携帯電話が鳴り、先輩は電話の相手と話しだしました。
(運転中に携帯電話で話してますが、もう時効ということで...汗)
携帯電話から漏れてくる声で男友達と話していることがわかりました。
そのまま車は進んで行きテーマパークに到着しました。
夜中の1:00頃だったと思います。
夜中だったので当然閉館していますが、駐車場には入れました。
先輩はずっと携帯電話で話を続けています。
駐車場の中にトイレがあったので「トイレ行っとこ」となり一緒に歩いて行きました。まだ先輩は男友達と話を続けています。
トイレを済ませ車に戻ると先輩が携帯電話の相手に
「もしもし?」「なんて?」「えっ?」「もしもしーー??」
と首を傾げながら大きな声で言いだしました。
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