実話怪談 お盆の海で
僕は若い頃、仲間たちとよくキャンプやバーベキューをしました。
あまり良くないと聞きますが。なぜかお盆に海でキャンプをすることが何度かありました。
その時に起こった短いお話しを一つ。
このキャンプに僕は参加していなかったので、後日、聞いた話です。
この日も友人たち数名でキャンプのため海辺を訪れていました。お盆ということもあり、友人たち以外に、ほとんど人は居なかったそうです。
そこは砂浜があり横には切り立った断崖がそびえ立つような場所だったとのことでした。
いつものように、海ではしゃいだりバーベキューをしたり楽しく時間が過ぎていきました。あたりは暗くなり夕食も終わり各々まったりとした時間を過ごしていた時、仲間の1人が居ないことに気が付きます。(トイレにでも行っているのだろう)とあまり気にしていませんでしたが、しばらく経っても戻ってこないため、みんなで探すことになりました。
トイレを見に行ったり、車を確認するために駐車場へ行ったり、辺りを探してもどこにもいません。(まさかな~)と思いながら崖のほうを探すことにしました。名前を叫びながら崖を上って行くと前方に薄っすら人影の様なものが見えます。その人影に向かって名前を叫びます。でも、まったく反応がありません。それでも名前を叫びながら駆け寄っていくと、それは間違いなく探していた友人でした。そしてさらに名前を呼び続けますが、まったく反応がありません。何かに引き寄せられるように崖の端に向かって真っ直ぐ進んでいきます。そしてまさに海へ身を投げるその時!!追いついた友人が彼の腕を掴み引き上げました!!「お前何してんねん!!」と彼を怒鳴りつけました。すると彼は ハッ と我に返り「俺何してたん??」と不思議そうな顔で質問してきました。友人たちは事の経緯を話し、いったい何があったのか問いただしましたが、本人は何も覚えていないとのことでした。
もうすこし発見が遅かったらと考えると ぞっ としました。
やっぱりお盆に海でキャンプはしないほうがいいですね。
という、ちょっと怖いお話しでした。
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