パウパトロールの基礎知識を整理してみた

子どもたちの間で大人気のアニメーションシリーズ「パウ・パトロール」。特に4歳の子どもと一緒に見ていると、キャラクター同士の関係や物語の背景について、いろいろと気になることが出てきます。そこで、子どもと対等に話せるように、パウ・パトロールの基礎知識を整理してみました。


パウ・パトロールとは?

パウ・パトロールは、アドベンチャー・ベイで活動する勇敢な子犬たちのチームを描いたアニメーションシリーズです。それぞれのキャラクターは個性的で、特定の役割やスキルを持っています。ここでは、主要な登場人物同士の関係や特徴について見ていきましょう。

ケント(英語名: ライダー)とパウ・パトロール

ケントは10歳の少年で、パウ・パトロールのリーダーです。彼はチームの調整役として、各メンバーにミッションを与え、指揮を執ります。ケントはすべての子犬たちにとって頼りになる存在であり、皆から尊敬されています。作戦のプレゼンがとても上手く、毎回参考になります。

チェイスとマーシャル

チェイスはジャーマンシェパードの警察犬で、冷静かつ責任感の強いリーダーシップを発揮します。一方、マーシャルはダルメシアンの消防犬で、ちょっとドジだけれども心優しい性格です。二人はよく一緒に行動し、チェイスの計画に従ってマーシャルがサポートすることが多いです。互いの長所を補完し合う素晴らしいコンビです。

スカイとロッキー

スカイはコッカースパニエルとプードルのミックスの、ヘリコプターを駆使する空のパトロール犬で、冒険心に溢れた性格です。ロッキーはリサイクルを得意とする整備犬で、物を再利用することに情熱を持っています。ロッキーの犬種は謎で、テリアの特徴を持つ雑種とされています。スカイが空から状況を把握し、ロッキーが地上で具体的な対策を講じることで、難題を解決していきます。

ラブルとズーマ

ラブルは建設犬で、工事現場での重機操作を得意とします。イングリッシュ・ブルドッグです。ズーマはラブラドール・レトリーバーの水上救助犬で、ボートや水に関連するミッションを担当します。陸と水という異なる環境で活動する二人は、強い絆を築いており、様々な課題に対応しています。

エベレストとトラッカー

エベレストはシベリアン・ハスキーの雪上救助犬で、寒冷地でのミッションに特化しています。トラッカーはチワワのジャングル探検犬で、密林での救助活動を行います。異なる環境で活躍する二人は、互いのスキルを尊重し、必要な時には協力して活動します。

リバティー

リバティーは映画「パウ・パトロール ザ・ムービー」に登場する新しいキャラクターです。彼女は茶色のダックスフントで、街のパトロール犬として活躍します。リバティーは活発で元気な性格で、すぐにチームの一員として溶け込みます。映画でのデビュー後も、シリーズに登場することがあり、今後もファンからの人気が続くでしょう。映画に最初登場したときにあまりに自然な登場なので、以前にも出ていたのかな?と不安になりました。映画が初出でした。

市長たち
ライバール市長
は、アドベンチャー・ベイの隣町フォギーボトムの市長です。彼はアドベンチャー・ベイの市長であるグッドウェイ市長としばしば対立し、競争心が強く、自己中心的な性格です。しかし、彼のコミカルな一面もあり、物語に興味深い敵役として登場します。

キャプテン・ターボットは海洋生物学者であり、熟練した船乗りです。アドベンチャー・ベイ周辺の海洋生物に詳しく、パウ・パトロールの子犬たちと協力してさまざまなミッションをこなします。ポーターさんはアドベンチャー・ベイで食料品店とカフェを経営しているおじいさんです。料理が得意で、特にジャムや焼き菓子などを作るシーンが多く描かれています。彼はアレックスの祖父でもあります。つまり、アレックスの名前は、アレックス・ポーターと分かります。

建築犬は実在するのか?

ラブルは建設犬として登場しますが、私たちの実際の世界には建築犬という役割は存在しません。働く車のノリで建設系の乗り物を登場させるべく、現実には災害救助犬や警察犬のように特定の訓練を受けた犬たちをモデルに創作された設定なのでしょう。
では、なぜこのような設定が生まれたのでしょうか?それは、アニメーションが子どもたちに現実の職業や役割をわかりやすく、かつ楽しく伝える手段として機能しているからです。ラブルが建設犬として登場することで、子どもたちは建設現場やインフラ整備の重要性を、自然と学ぶことができるのです。

建築犬は存在しませんが、実際に人間の仕事をサポートする犬たちは多く存在します。例えば、災害救助犬は、地震や津波などの自然災害が発生した際に、瓦礫の下に埋もれた人々を捜索するために訓練されています。これらの犬たちは、人間の嗅覚や聴覚では捉えられない微細な音や匂いを感知し、捜索活動を行います。

また、警察犬は、犯罪捜査や治安維持のために活動しています。警察犬は、麻薬の検出、爆発物の捜索、逃走犯の追跡など、非常に幅広い任務をこなします。これらの犬たちは、特別な訓練を受けており、その高い能力と忠誠心で人々の安全を守っています。

さらに、介助犬盲導犬のように、人々の日常生活を支える犬たちもいます。これらの犬たちは、視覚や身体に障がいのある人々をサポートし、彼らの自立を助ける役割を果たしています。

ケントの謎

ケントが10歳でありながら一人で生活し、パウ・パトロールを指揮している理由について、作中ではまだ詳しく語られていません。しかし、いくつかの可能性を考えることができます。

まず、最初の疑問は「ケントの家族はどこにいるのか?」という点です。作中では、彼が家族と連絡を取っている様子は描かれていません。何らかの理由で、両親や親族と離ればなれになり、ケントは一人で生活せざるを得なくなったのかもしれません。映画の中で、ケントが孤立しているスカイやチェイスを引き取るシーンがあります。もしかすると、ケントが彼らに共感できたのは、彼自身も似たような境遇にあるからかもしれません。そうであれば、子犬たちは単なる仲間ではなく、ケントにとって大切な家族そのものであると言えるでしょう。

次に、「ケントは誰のサポートもなく、あの組織をどうやって運営しているのか?」という疑問が浮かびます。もしかすると、ケントには彼を陰で支える守護者がいるのかもしれません。この守護者は、ケントの安全や成功を願い、必要な支援や資源を提供している人物や組織かもしれません。例えば、大富豪のおじいちゃん的な保護者や、複数の人々からなる財団のような組織が考えられます。もしケントが莫大な遺産を相続していたとすれば、彼のような少年でも、能力が高ければあのような施設を開発し維持することは原理的には可能かもしれません。しかし、誰からのサポートもなく、自力で全てを実現したと考えるのはやや不自然です。ケントが一人で生活しているように見えるのは、こうした守護者が表に出てこないためかもしれませんが、実際にはその支援のおかげで彼の生活が成り立っているのかもしれません。

もう一つの疑問は、「なぜ大人の警察や軍、消防が出動しないのか?」という点です。助けを求める大人はいるのに、普通なら駆けつけるはずの大人がいません。アンパンマンのように人間が街に全くいないなら理解できますが、アドベンチャーベイや映画に描かれた街には大人がたくさんいて、仕事をしているように見えます。それならば、大人の消防や警察が来るのが自然だと思います。グッドウェイ市長が街中でウロウロしていることが多く、行政の運営がまったく機能していない可能性も考えられます。しかし、それでも国の軍が出てこないのは不思議です。もしかすると、ケントを支援する守護者が軍をも制御しているのかもしれません。パウ・パトロールは非常に高い解決力を持っていて、彼らに任せれば100%、ノーコストで問題が解決します。だからこそ、国(国民)としても守護者の意思に従って大人の出動を控え、パウ・パトロールに任せているのかもしれませんーー。

見えないものに目を向けることで、真相を考察するのはとてもワクワクします。これからも作品を見るときに、この視点を大切にしていきたいと思います。

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